情報通信技術の活用による効果的な学修環境の構築について

京都学園大学FD講習会
(会期)2017年1月20日(開催場所)京都府京都市 京都学園大学 京都太秦キャンパス
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どのような話にすると良いか少し考えたのですが、自身のこれまでの取り組みを取りまとめた話にしました。
私の授業に情報通信の風が入ることでどのような変化が起こったのかまとめてお伝えすることで、これからの学生の生活や学習の環境にフィットさせた学修環境の構築のお役に立てれば幸いです。

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自己紹介はこちらのwebサイトをご覧いただきながら
私的な部分は口頭でしゃべります。
公開されている情報とされていない情報(例えば自宅の住所やら)があります(当然)。
授業資料をネットワークに乗せるのも同様によく考えて行わないといけない
googleで私の名前を検索
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自身の経験から授業をきちんと聞いてから自分の言葉で記録すると理解度が向上
当時ノートや教科書に記録していた内容は、黒板に書いてあるものそのままでもなく、先生の世間話も含めて記録
資料を渡すと安心してしまいノートを取らない。
渡さないとスライド記録。
記録するのではなく理解する時間
解決するにはいつでもどこでも授業が再現できる安心感では

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私が教育機関で授業をするようになったのは大学院(修士)時代
学費・生活費を稼ぐために学部の頃からパソコン教室のインストラクターをしました。
さかのぼるとPC-8001を使って小学生のころからプログラミングをしておりプレゼンテーションソフトを使うのは自然な流れ
当初の講義スタイルは黒板併用でしたが、学校によって環境が異なるため徐々に黒板なしで成立するスライドを作っていた

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2007年頃からICTを本格的に授業に取り入れるようにシステムを開発しはじめる
私の恩師「授業の出欠を携帯電話のメールで取りたい」「ついでに心拍数を毎回測定させてそれをグラフ化してほしい(簡単に)」
リアルタイムに集計・表示できるシステム(2008年度より運用)
折角なので私も使う。受講生が多い場合は効果的ではあったが少人数の授業が多くあまり使わなくなる

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Webサイトを構築するもコンテンツ作るのが面倒→授業用のものを作れば一石二鳥

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いろいろ悩む

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オープンなページも悩みながらだがプレゼンテーションソフトを使っていた頃のように黒板いらずのスライド資料になるように改善
逆に、ネットワークに乗っかることで様々な恩恵を受ける

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この頃Twitterが普及し、既にtwitterを用いた授業の事例もあったが、イマイチ自分のアカウントで行うことに乗り気ではなかった。
キッカケはTwitterが写真データもサービス内で取り扱えるようになり写真を含め鍵をかけれるようになったから
印象に残るものに医療統計演習。学生が黙々と課題に取り組むところで補足や他の学生が間違えた事例などをリアルタイムで配信

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ボランティアで始めた資格(診療情報管理士)取得のための講座で、休暇期間など遠隔指導
テレビ電話+Twitterで

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様々な資料をリンクして紹介していたのですがリンク先から連絡をもらう

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2010年頃よりWikiでお手軽に授業ページを作るも、ある日突然見れなくなる状況に
原因はWebサーバーのセキュリティ対策によりシステムが作動しなくなった

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授業資料をネットワーク化していくことで様々なことを考え経験しました

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授業にも生活にも通信技術が入り込んできている時代。
技術的な問題であったり情報の管理が必要な部分に関しては、機関側に委ねるのが良いと考えています
例えば学生との情報交換に個人のSNSアカウントを使うのを、極力避けています

大阪保健医療大学はmoodleを導入。開学時から非常勤で科目担当しており資料提出などでシステムを利用

大阪保健医療大学の学生アンケートの結果だけではなく、今後について事務担当者から以下のコメントも頂きました。
『 1年の情報処理の時間に使用方法の説明や課題提出などを課すことにより、ムードルを見るという習慣がつきました。
ただ、掲示物は100%ムードルに載せており、見るようにはなりましたが、教員の講義での活用は、まだ1割程度のため、今後レポートの提出や反復学習をできるように教員使用率の向上を目標にしております。
最近では、レポートの提出やホームルーム内でムードルを積極的に活用して頂いている教員も増えてはきました。
開学当初は、学生の利用率向上を目標にしており、それは達成できたため、今後は、質(教員と学生間の交流)を追求したものにしたいと思っております。
FD研究会などでムードルの活用事例などの紹介も検討しております。』

と、システムを機能するための第一段階としてユーザーの利用促進(まずは学生)の取り組みをして、次のステップに進んでいます

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入試問題のPDF保管に係わる著作権法上の不備について(旺文社)
https://www.obunsha.co.jp/news/detail/425
紙媒体のまま保管であれば問題なかったがPDF化することで法に抵触する恐れ(PDFに変換するという解釈にはならず、PDFに複製となってしまう)

講演後補足

多くの方に参加していただきありがとうございました。関心の高さに応えられるよう話したつもりですが、全般を通じて細かいところの説明を飛ばしながらで意味合いがわかりにくいところがあったかことと思います。
また、このページに入れているコメントに触れなかったところもあるのですが、その部分は副音声的にお読みいただけますと幸いです

今更ですが、パワーポイントで出力するより、普段の授業のようにこのページを使ってプロジェクターに出したほうが良かったような気がしています。非公開の部分が少しあったのとスライドの鮮明さでパワポにしたのですが、今振り返ると・・・

以下質疑応答などのまとめです。
その時にお答えできなかった・言葉が足りない部分はカッコ書きで補足しておきます
議論が足りない部分や、時間の制約で質問されなかった事柄など(例えば当日参加できなかったが話を聞かせてほしいなど)、なにかございましたら、お気軽にご連絡ください。今後ともどうぞよろしくお願いいたします
連絡はコチラからも可能です

Q1.授業資料をWebで公開することで学生の事前学習・自己学習はどう変わった?
A1.授業資料が出来ていない場合学生からお叱りの言葉をいただく機会が増えたので授業前に閲覧したい人が増えているように思う。関心を持ち始めているのでは
(なるべく授業二日前までに作成しようと努力しております)
 授業中にもそのページはプロジェクターで投影しているが、ipad等で閲覧して学生もいる(医大の生物統計学でザックリ10〜20人ぐらいだったかな)

Q2.その受講生はipad自分で買っている?
A2.(京都学園大学の看護学科のように学生に貸与しても)いいかもしれないが、皆さん自分のを使っている。持っていない人は持っていない。なのでmacbookなど使って閲覧している人もいる。
   ただし授業で使うならwifiなどネットワークを提供しても良いように思うが現状は自前

Q3.授業でペーパーレス化したいが実際に紙を減らすと学生から要望が出る。そのように学生に対応?
A3.興味のある人間はプリントアウトして持ってきてと指導。一律に授業時に配布しないことで事前準備(学修)を促すことに繋がる。不要な人は打ち出さないので環境にやさしい


Q4.授業の設計の話ですが。反転授業はどう考えている?動画がポイントでは?

このご質問をされた先生もしくは同様な質問を投げたかった先生方へのお願い:先生が想定する状況を私が把握しないまま回答したように思いますし、ご指摘頂きましたように今後検討の必要があると思っています。しかしながら現時点では以下の回答の通りで、まだ具体的な構想まで至らない状況です。もしお時間などよろしければ意見交換などさせていただける機会をいただけたらと思っております。よろしければご連絡いただけますでしょうか。

A4.(叱られそうですが)私自身が動画だけで学修できる能力を持ち合わせていないこともあり今のところ興味はなく特に考えていない。
   反転授業は気をつけないと学力以外の対応スキルなどで評価されたりしないかと思っており、私の授業に対する考えと異なるという認識。
   (食わず嫌いにならないよう、いずれ機会があれば反転も動画もチャレンジしようと思います。)
   (時間軸をコントロールできない(しずらい)動画は自己学修においてその良さが活かされにくいように考えております。但し手技などは別で見たほうが断然理解できますが)
   (現在授業の後半に習熟度確認の問題について学生間であったり私とコミュニケーションをしながら各自解いていく形式の授業を行う場合もある。デザインとしてはそちらのほうが知識の獲得が効果的に出来るのではないかと考えている)