SNS時代における個人情報保護と情報セキュリティ
竹村医学研究会小阪産病院 院内研修会
(会期)2014年8月28日 (開催場所)U・コミュニティホテル(大阪府東大阪市)
遠隔コミュニケーション
まず人と人がコミュニケーションをとる手段としてはFTFとよばれる対面のコミュニケーションが基本になります
電話は少ないかもしれませんが、郵便はDM等も含めるとこんな感じかな。郵便物を出すというのは殆どありません
メールはある程度書きますが、何度もやりとりするのは研究がらみの学会発表前ぐらいで普段はこの程度です
ただし受けるメールは結構多く、正直ここら辺のレベルになると全部目を通せません。広告などはほとんど読まないです
電話だとどこかに2回電話かけたら、どっかから3回かかってくるようなイメージ
Eメールになると一通メールを書いて送信する間に受信ボックスには30件のメールがたまっている状態です。
察するというのは、直接的な表現で伝えてないところを推測するわけですが、その推測の精度は元々の人間関係の繋がりに依存してしまいます。
まぁ繋がりが強ければ「うん」のひとことで「今日は遅くなるから晩飯はいらないわ たべて帰る」ぐらいの情報が伝わることもあります。繋がりが弱いばあいは丁寧に書き込みしても星の数ほどいろいろな推測がされてしまいますよね。
元々の繋がりが弱くても成立してしまうコミュニケーション手段の宿命だと思います。
関係性が弱いイコール良くないなんて思われそうですが、弱い繋がりが幸せをもたらすことは多々あります。
いぜん卒業生に贈る言葉で弱いこともいいことだ という話を送ったりしていますが、こちらの話は今日の本題と外れてしまいますね。
今の世の中ではSNSを使うことで一気に情報を拡散することが出来ます。というより勝手に拡散してしまいます。
有名どころでは311の時にコンビナートの火災で有害物質云々のtweetが凄い勢いで流れてきたり、いろいろな情報がマスコミを介さずに口コミで広がっていきました。
昔のマスメディアは情報を精査して拡散する側だったのですが、最近は拡散されている情報のうち精査して価値のあるものを再送信する役割に変わってきています。
私は昨年までここら辺の道を酔っ払いながら歩いていたのでびっくりな写真です
無論このようにマスコミに取り上げられていない情報もSNSに挙っています。
情報の拡散
その昔は情報がマスメディアが全て情報を拡散させていたかというとまったくそうでもありません。
リアルな口コミで、病院を運営する側としては非常に驚異となる情報拡散です。
ただ大抵はそこまで広がらなかったりするものですが、これは偶然が重なって広まったという例を紹介していきます。
豊川信用金庫事件というのが1973年におこりました。
女子高生の雑談が発端となって、短期間に約26億円もの預貯金が引き出された事件です
ちなみに当時の平均年収がだいたい8万円ぐらいだそうで、今が40万円ぐらいと考えると卒倒するような話です
匿名性
「情報通信白書平成26年版」(総務省) (https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/h26.html)を加工して作成
SNS3つめのテーマは匿名性です
FBのように実名登録を原則としているものもありますが、全てがそうではありません。
ここが情報発信するときの落とし穴でもあるのですが、こちらは総務省の情報通信白書から引用したものです
左はtwitterの実名登録なのか匿名登録なのかを調査した結果です。
こちらの画面ですが私のtwitterのカバーです。一応匿名にしています。
このtwitterのページから私を特定することが出来るか・・・
例えば左上のこのtweet
奈良県の大学に勤務している教員か職員だなということは想像できます
そして下のtweet
23時30分頃に最終のアーバンライナーに乗っているとなれば駅は八木駅だなということは橿原市近隣
すると奈良医大にいるのかなと
個人情報保護と情報セキュリティ
情報漏洩の死角
どうしようもない話ですが、皆さんは程度は別として常に情報を持ち出しています。
更衣室に記憶消去装置とかおいてないですよね。
工場の場合は持ち出し禁止の物品などは様々な手段で外部流出を防ぎますが
こと情報に関しては、ものじゃないし複製自由という特性があるのでどうしても持ち出してしまいます。
あなた自身が帰りの電車で喋ったりしていませんか?SNSに書き込まなきゃ良いって事と思っているそこのあなた
ということで、職員のプライベートな領域から漏れ出てしまうケースがあったりします。
もう一点考えなくてはならないことは患者さんやご家族からの情報発信です。
総務省が病院内の携帯電話の使用制限を緩和というニュースをご覧になったかたも多いことでしょう
小阪産病院に限っていうと2004年頃ですからもう10年たちます。解禁していますが今後はニュースに大体的に流れたこともあって考慮しなくてはならない場面が出てくるのかと思います
私は昨日夏休みとりまして家族とプールに行ってきました。平日休むって良いですね
そこでもアナウンスされていたのが写真を撮るときの注意喚起であったり携帯電話のプール内の持ち込みの話であったり
例えば、患者さんが赤ちゃんの写真を撮りSNSに投稿したとき、他の患者さんがうつりこんでしまうるケースもあるでしょう。
写真撮ったらカルテが映り込んでいるのにそのままupされるケースも出てくるかもしれません