甲子園大学 病院医療管理学概論 キーワードまとめ

医療資源・・・経営学の経営資源にならうと ヒトモノカネ +情報
・物的資源・・・医療施設(保健サービス機関・医療機関)、医療・福祉用具、医薬品
・人的資源・・・様々なスタッフ(業務独占・名称独占)
・財的資源・・・医業収入・医業外収入
・情報資源・・・診療録・看護記録など


医療制度・・・社会保障の一つ 明治以来防衛政策(伝染病対策)として整備
・国民皆保険制度・・・1961年(昭和36年) 応召義務との関わりあい
・営利目的・・・病院も一般の会社と同じく目的を持って活動する組織
・病床基準・・・病床の区分、人員配置
・保険診療の仕組み・・・公費負担、私費負担、自由診療、混合診療
・諸外国との比較・・・日本、ドイツ=社会保険方式 アメリカ=民間保険モデル イギリス=税財源
・保険給付・・・現物給付、現金給付


地域医療・・・病気の診断や治療にとどまらない
・健康の保持・増進
・病気の予防
・リハビリテーション

健康への影響因子
・自然・人工的環境
・行動的環境
・生物学的環境
・医療サービス環境
医療の提供構造
・一次医療
・二次医療
・三次医療
医療計画
医療法 第三十条
例 京都府の医療計画(京都府保健医療計画)


病院組織・・・最終目的は「患者の苦痛を癒し、患者を安心させる」
・組織の要素・・・共通の目的、協働意思、コミュニケーション
・リーダーシップ・・・仕事中心の側面、人中心の側面
・組織の原型・・・ライン型、ファンクショナル型、ライン・スタッフ型
  病院はラインスタッフ型が多い
・病院の会計制度・・・企業会計方式・官庁会計方式
・人事管理・労務管理
・マズローの欲求5段階説
 1.『生理的欲求』
 2.『安全の欲求』
 3.『所属と愛の欲求』
 4.『承認の欲求』
 5.『自己実現の欲求』


医療管理・・・診療の質・看護機能・アメニティ
診療管理・・責任区分 主治医・担当医
看護部門・・独自又は他と協働
      健康増進
      疾病予防
      病気や障害を有する人々へのケア
      死に臨む人へのケア
母性・・・善悪の分け隔てなくすべてを包み込む傾向
父性・・・善と悪を区別して指導する傾向
              (心理学者:河合隼雄)
看護過程
Assesment
患者の情報の収集・分類・解釈・分析統合

Nursing diagnosis
上記の結果に基づき看護診断

Plannning
問題解決のための看護計画の作成

Implementation
看護の実施

Evaluation
実施した結果について評価
看護記録 診療報酬上の施設基準の条件
様式・名称は各保険医療機関が適当とする方法で差し支えない


薬剤部門
服薬指導
薬剤調剤
DI業務(医薬品情報管理)
監査
薬剤管理と補給義務


臨床検査部門
検体検査
・一般検査 ・微生物検査 ・生化学検査 ・血液検査 ・免疫・血清検査 ・病理検査 ・生理検査
生理検査
・心電図 ・肺機能 ・脳波
放射線部門
・画像診断 ・放射線治療
リハビリテーション部門
PT OT ST
手術部門
一般区域・準清潔区域・清潔区域
http://www2.huhp.hokudai.ac.jp/~ict-w/kansen/2204.pdf
中央滅菌材料部門
殺菌・滅菌・無菌
栄養給食部門
栄養士・管理栄養士
医療・福祉相談部門
・経済的問題の解決
・療養中の心理的・社会的問題の解決
・受診・受療援助
・退院(社会復帰)援助
・地域活動
事務管理部門
医事課・総務課・人事課・経理課・用度課
診療情報管理部門
・診療情報の収集
 --量的点検(形式監査)
 --質的点検(内容監査)
 --コーディング(診療情報の分類)
・診療情報の管理
・診療情報の提供


診療報酬制度
対象・・保険医が医療保険制度の下で、保険医療機関の指定を受けた医療機関における診療行為
保険医療機関・保険薬局の申請(指定:諸変更等)、 保険医・保険薬剤師の申請(新規登録:諸変更等)について
支払方式
・出来高払い
 各診療行為・・・技術評価を行い点数化
 総評価額を支払う
・定額払い
 診療1件又は1日当たりの報酬を定める
診療報酬明細書(レセプト)の作成
保険医療機関が作成
診療した月の翌月の10日までに行うこと
請求権の時効・・・診療を行った翌月の1日から3年間で成立(民法170条)

審査
・査定
 適正な診療報酬額になるように減点・増点すること
・返戻
 記載不備、疑義があり審査決定できないもの


医療関連法規
医療法
目的(主旨)
患者自身の医療の選択を支援
安全な医療
目的(具体)
医療施設の開設・管理に必要な事項
医療施設の整備・医療間連携の推進に必要な事項

医師法
・絶対的欠格事由
・相対的欠格事由
・臨床研修
・応召義務
・診療録の保存・記載事項

薬剤師法
・調剤の場所
・処方箋による調剤

保健師助産師看護師法
・保健師・・・5条に規程する業を行える
・守秘義務・・・助産師のみ刑法

社会福祉六法
・生活保護法
・児童福祉法
・身体障害者福祉法
・知的障害者福祉法
・母子及び寡婦福祉法
・老人福祉法

個人情報保護法
OECD(経済協力開発機構)プライバシーガイドライン8原則(総務省HP)
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/gyoukan/kanri/oecd8198009.html
医療現場での対応
院内掲示サンプル(全日本病院会)
http://www.ajha.or.jp/about_us/activity/zen/20050308-2.doc
QA集(全日本病院会)
http://www.ajha.or.jp/about_us/activity/zen/20050308-8.pdf


診療情報の共有
情報とは
知らせ nachricht 1903年森鴎外
データ・・・(一次、二次)
情報・・・データに意味を付与
知識・・・情報を体系化
広義にはデータ、情報、知識をまとめて「情報」
シャノンの定義
bit・・・AなのかAじゃないのか
医療情報の分類
・診断の意思決定に関するもの
 1)医学情報
 2)診療情報
・病院運営
 3)病院管理情報
・(主に)病院外
 4)社会医療情報
POMR/SOAP
日本医師会「診療情報の提供に関する指針」(第2版)に基づく診療情報開示に対する広島県医師会の対応(改訂版)

クリニカルパス・・・治療計画表
http://clinicalpath.jp/pdf/cp.pdf
クリティカルパスを医療に応用・・・違うものになった
(クリティカルパス PERT図法 最短経路(全体の工程を短縮するために最も余裕の無い要素)に着目)
アウトカム
パスが目指す成果
バリアンス
逸脱した状況(パスが想定していない)
「標準化された医療から逸脱するケース」

・評価のものさし
・進化するパス
・患者さんへの説明用 http://www.kosaka.or.jp/path.html


リスクマネジメント
医療事故・・・技量に関係なく発生
医療過誤・・・過失
小阪産病院での用語の定義は下記の資料の定義を参考に作成
患者誤認事故防止方策に関する検討会報告書
アクシデント・・・医療事故・医療過誤
インシデント・・・アクシデントに発展しかねないと関係者が感じた状況
アクシデントインシデントのレベル
ガイドラインの作成で事故防止〜国立大学附属病院の安全管理対策
本院(竹村医学研究会 小阪産病院)のケースでは、アクシデント・インシデント報告に対する職員の意識が高く、報告システムが整備されているため、様々な報告が存在。
影響レベルについて上記のガイドラインを拡張し管理している。


小阪産病院におけるインシデント・アクシデントレポートについて(抜粋:2007年12月14日作成)
1:用語の定義
本院において医療事故に関する用語は下記の定義とする。
a)医療事故
 病院内において発生する人身事故一切を包含する。
人身事故は、患者ばかりでなく職員が被害者である場合も含み、
医療行為とは直接関係しないものも含む。(例:廊下での転倒)
b)医療過誤
 医療従事者による医療行為の過失により患者に傷害を及ぼした医療事故。
c)アクシデント(事故)
 病院業務に関連した場面で発生した事故一切(人身・物損・紛失・瑕疵を含み、病院内・外を問わない)を包含する。「医療事故」や「医療過誤」はアクシデントに含まれる。
d)インシデント(ヒヤリ)
 病院業務に関連した場面で「アクシデント」に発展しかねないと関係者(職員・患者)が感じた状況。状況から想定されるものと実際体験するものに分かれる。「アクシデント」に至る要因(事故要因)は様々なものがあるが、「インシデント」はその中で関係者が事前に気がついたもの(既知)を指す。
e)クレーム
 患者及びご家族が不快・不安に感じた事象でアクシデントや事故要因にあたらないもの。但し病院サービスの向上の視点から参考にするべき情報である。

レベル 障害の継続性 障害の程度
0n 実施もしくは気がついた、アクシデント(医療過誤を除く)に繋がるエラー・不具合
なし 医療過誤に繋がるエラーや医薬品・医療用具の不具合が見られたが、患者には実施されなかった
1n なし 医療行為を除くもので、実施・提供によって不具合事故が発生したもの。患者への傷害はなし
なし 医療行為に関するもので、患者への実害はなかった(何らかの影響を与えた可能性は否定できない)
(以下略)
と、医療行為に関連しない場合医療事故レベルにはnを付すようにしている。


ケースミックス区分法・・・多様な患者が混在
診断群分類・・・病名や提供された診療内容をに着目して「似た患者」をグルーピング
診断群分類を必要とする理由
病院を評価するには患者の病状や提供されるサービス内容の考慮が必要
データを「医療経営管理」や「医療の質保証」に活用できる
見込み支払い制度(PPS) あらかじめ支払額を決める方法
DPC
ICD-10コード&DPC検索
http://web.hosp.kanazawa-u.ac.jp/dpcchk/dpcchk2008/icd/index.html 出来高+包括評価で支払
点数の決定方法・・・調査データを基に算定
25%タイル
2SD


病院・医療に必要な統計の基礎・・・得られた情報の整理・可視化
集団を表す値・・・代表値(もっともな値)と散布度(集団の分布)
代表値・・・集団を象徴する一つの数値
・平均値 いわゆる割り勘
・中央値 昇順(降順)に並べて真ん中
・最頻値 もっとも発生頻度の高い値
散布度・・・集団のバラツキ具合の指標
・範囲 最大値と最小値の差
・四分位偏差 25%値と75%値の差の半分(50%値=中央値)
・分散 偏差の二乗の平均
・標準偏差 分散の平方根