大阪医専 医学概論2017
(臨床学部臨床工学学科)

開講にあたりまして2017

授業メニュー
第1回 医学および関連する分野

第2回 人間の生命

第3回 健康と病気

第4回 現代医学

第5回 保健医療提供体制

第6回 病気の原因

第7回 病気による身体の変化

第8回 病気の診断

第9回 医療で発生する情報

第10回 病気の治療とリハビリテーション

第11回 病気の予防

第12回 医学の歴史

第13回 未来の医学



第1回医学および関連する分野

医学・保健医療について(教科書第1章AB,第10章A)

教科書

≪系統看護学講座 別巻≫医学概論
http://www.igaku-shoin.co.jp/bookDetail.do?book=5362

医学とは

・・・学

体系化された知の集合体

医とは

http://kanji.jitenon.jp/kanji/245.html
http://dic.nicovideo.jp/a/%E5%8C%BB
病気を治す。治す人のこと。
「病気」に対してアプローチする学問

自然科学(基礎医学・臨床医学・予防医学・環境医学・産業医学)
社会科学(医療システム・病院管理学・福祉医療・医療経済学)
生命倫理
医学教育

医道

医術は技術であり仁術

サイエンスとアート

それぞれの特徴は表1参照
アートとサイエンスのバランス

医療

医学的実践
→(20世紀後半)+「予防的な検診」「健康教育」→生活上の配慮
医師によるもの→看護師の役割→多職種によるチーム医療
「医療」と「保健」の世界の融合
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地域と医療の統合に資する 情報活用の考え方 −不足の観点からみる医療2.10− より)

「健康になるための医療」「健康でいるための保健」という考え方ではなく「生活するための保健医療」
単純に 健康=病気ではない ではない
→社会的に満たされた状態

健康の定義について(公益社団法人日本WHO協会)
http://www.japan-who.or.jp/commodity/kenko.html


授業後補足

【日野原重明さん死去】延命治療拒否…「望ましい人生の終え方を実践した」 聖路加・福井院長会見(産経ニュース)
http://www.sankei.com/life/news/170718/lif1707180050-n1.html

トップ棋士に3連勝したAlphaGo、引退を表明(TechCrunch Japan)
http://jp.techcrunch.com/2017/05/28/20170527googles-alphago-ai-is-retiring/

コミュニケーションで話の引きだし方の大切さであったり云々のくだり
2017なら地域医療ワークショップにて(medbb's blog)
http://medbb.hatenablog.com/entry/2017/08/30/190000
5.参加いただいた看護学生さん発言できました? の所の事を話しました

私は道から逸れながらジグザグ進んでいる人生ですが、皆さんの中にもあれこれ遠回りしてこちらに来られた方もおられるのではないかと思います。
道が無くとも一歩一歩踏みしめれば前に進めます


第2回人間の生命

QOL、倫理、死への対応について(第1章C,第10章B)

生体・・・自発的な働きをする
言い換えると観察者の思い通りの動きをしない
生理学・・・生物の生命現象の解明
「人間の死」(P13)

死によって生であったことが明らかになる
例えば野球選手を引退するには野球選手であることが必須
故に自発的な動きが観察できなくなると死亡説が流れたりする
【都市伝説】死亡説が流れた芸能人 (NAVERまとめ)
http://matome.naver.jp/odai/2137811109237515001

倫理

倫理と道徳の違いは?
以前、深夜のテレビで見た映画でそんなフレーズから始まる映画見たけど・・・
倫理=実践道徳で外的な要因により変化するもの(私の解釈)
<参考>
Q.道徳と倫理の違いは何ですか?(まさおさまの 何でも倫理学)
http://blog.goo.ne.jp/masaoonohara/e/3b64566428d683bbea6d895c4abaf2bf
倫理とはなにか(日本看護協会)
https://www.nurse.or.jp/nursing/practice/rinri/text/basic/what_is/index.html

医の倫理

WMA医の倫理マニュアル(日本医師会)
https://www.med.or.jp/doctor/member/000320.html
共感、能力、自律

生命倫理

医療提供側が考えなくてはならない倫理
どこまで他者の人生に介入することが許されるのか
技術の進歩、文化背景などなど

倫理原則

Principles of Biomedical Ethics(googlebooks)
https://books.google.co.jp/books?id=_14H7MOw1o4C
臨床倫理:臨床現場における倫理的検討方法(日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 120 (2017) No.4 p.456-457)←配布
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jibiinkoka/120/4/120_456/_article/-char/ja/
自律尊重原則
善行原則
無危害原則
正義・公正原則

精神科看護ガイドライン2011 および 精神科看護者のための倫理事例集2011(一般社団法人日本精神科看護協会)
http://www.jpna.jp/sponsors/pdf/nurse-case-2011.pdf
委員会事業 政策・業務委員会(一般社団法人日本精神科看護協会)
http://www.jpna.jp/sponsors/committee-policy.html

QOL

質の話⇔量の話
長く生きていれば(指標:年齢)=当人にとって幸せなのかはよくわからない
<参考>
短命県体験ツアー〜青森県がお前をKILL〜実施!(青森県庁)
http://www.pref.aomori.lg.jp/release/2015/55081.html
不健康でも魅惑的「青森県がお前をKILL」ツアーに行ってみた(女性自身)
http://jisin.jp/serial/%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E3%82%B9%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%84/%E4%BB%8A%E9%80%B1%E3%81%AE%E7%94%BA%E3%83%8D%E3%82%BF/23207


授業後補足

これから多死社会。生きていくための保健医療から、納得する生活を送るための保健医療(誕生から死を迎えるまで)に変化している

第3回健康と病気

病気の定義と分類について(第1章D,第3章1〜5)
配布資料無し

病気と人間

メーヌ=ド=ビラン

・健康はわれわれを外へ連れていく
・病気はわれわれをうちに連れ戻す
行ったり来たりすることで人生を深く考えることができる
→(エピソード)病気になったことで「良かったこと」を聞いた話

最も豊かなヒューマニズムの世界との付き合い方が必要な時代(溺れないように)
→死の悲しみとの付き合い方が必要なこれからの保健医療(受け入れどのように昇華させるのか)

健康とは

健康生活の実践が必要
第一回の授業参照
健康教育の目的≠病気に関する知識獲得
→行動の変容によりあるべき健康生活の実践と習慣化

病気の理解と分類

病気の定義

ICD(国際疾病,傷害および死因統計分類) P170-171参照
国際的に病名を共通のコードで取り扱う。→世界規模で状況把握
但し、時間の流れには勝てない
・病態の変化
・新たな疾病

標準病名マスター作業班(標準病名マスター作業班)
http://www.dis.h.u-tokyo.ac.jp/byomei/index.html
ICFイラストライブラリー 日本語版 (イラストのコピーライト 国際医療福祉大学 高橋泰先生)
http://www.icfillustration.com/icfil_jpn/top.html
WHO−FIC(WHO国際分類ファミリー)とICF(国際生活機能分類)(第一回社会保障審議会統計分科会生活機能分類専門委員会参考資料2)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002ksqi-att/2r9852000002ksxp.pdf

急性疾患と慢性疾患

急性疾患・・・完全な治癒が期待される
慢性疾患・・・完全な治癒が期待しにくい(現時点で・・・将来は)

病気と心のはたらき

神経症と心身症の違いなど

医学の体系

基礎医学と臨床医学

専門医制度の話

欧米諸国に見られていた専門医制度が1967年以降導入

2018年度に新制度へ・・・
日本専門医機構
http://www.japan-senmon-i.jp/

授業後補足


第4回現代医学

医学の体系,医療技術,EBMについて(第2章5)
<配布資料>
加藤英一,脳死・臓器移植問題の異相性:脳死概念における日米の比較,医療と社会10(3),2000
https://www.jstage.jst.go.jp/article/iken1991/10/3/10_61/_pdf


現代医学の特色

近代自然科学の発達によるところが大きい
表2 20世紀以降の医学に関して主要な部分は覚えること

治療医学の展開

化学療法・・・なんらかの化学物質が病原体に奏功するのでは
臓器療法・・・臓器または抽出物を用いた治療
臓器移植・・・倫理的な葛藤(日本では1968年に初めて実施された)
<参考資料>

作家・渡辺淳一を誕生させた「和田移植」(本の話WEB)
http://hon.bunshun.jp/articles/-/3973
脳死の話・・・P160「死の判定」参照
<配布資料>
加藤英一,脳死・臓器移植問題の異相性:脳死概念における日米の比較,医療と社会10(3),2000
https://www.jstage.jst.go.jp/article/iken1991/10/3/10_61/_pdf

栄養学・食事療法・・・壊血病・・・ビタミンCの欠乏
<参考>
【恐ろしや!】超悲惨な大航海時代の食事と雑学あれこれランキング! (ランキングシェア)
https://www.rankingshare.jp/rank/xscbkvkcie

予防医学の展開

生ワクチン(毒性を弱めた)⇔不活化ワクチン(毒性を無くした)

MEの発展と検査・診断学の展開

検査を目的としたものが治療へ(IVR)

超音波

音の反射とその時間を用いて画像を作る
超な音波と言うのは、周波数が人間の可聴域を超えてるから
人間の可聴域・・・20Hz〜20kHz

CT

CTスキャニングの話・・・データを推測する
joho20160722-22.png(202000 byte)
データを「わかりやすく」と「わかりにくく」と −医療分野の情報化− より)

MRI

共鳴現象を利用・・・音叉
磁場を発生させるというところがCTと違う(逆に放射線は利用しない)
失敗百選 〜MRIにボンベが引き込まれて男児に衝突〜
http://www.sydrose.com/case100/257/

リハビリテーション医学の展開

完全に治すことを目的とするのではなく、ある程度の病気や障害があってもそれを上手に使いこなす

臨床医学とEBM

根拠に基づくというが、根拠をベースに考えることが必要で単に根拠を理由にそのまま適用するわけではない

到達度確認(グループで)

1)現代の医学・医療でどのような問題点があると思うか。グループで討議しまとめよ

授業後補足



第5回保健医療提供体制

医療提供体制,医療圏,地域包括ケア,関連法規について(第9章,付章C)
<配布資料>
医療制度の国際比較(財務省財務総合政策研究所)
<資料>6か国対照表
http://www.mof.go.jp/pri/research/conference/zk087/zk087_shiryou.pdf


医療関係者と施設

医師数約30万人に対して看護師約140万人
病院数と病床数の話

医療レベルによる分類

一次医療

それほど難しくない(とされる)医療
慢性の生活習慣病・健康保持
お気軽な気分で質問されても、よくよく聞くと深刻な問題があるのと同じように、ある種複雑な部分を担う医療

二次医療

ある程度の専門性を有する医療を提供・・・一般総合病院のレベルと言われる
入院が前提の医療
各医療スタッフがチームで進めていく医療

三次医療

大学病院や特殊専門病院によって行われる医療 専門性が深まっていくので、それぞれの領域のスペシャリストだけでなく医療機器も高度に

x次医療OO

医療レベルと医療圏の話を整理すると
一次 二次 三次
医療圏 入院に関わる医療を提供する圏域(奈良県は5) 県単位が基本
救急医療 軽症患者(帰宅可能) 中等症患者(入院) 重症患者(集中治療室)

医療圏

ある圏域において施設毎に機能が違うので(当然だが)病院完結型→地域完結型の発想へ

周藤が考える地域(保健)医療学(2016)

1)集団(地域)内における健康問題に関する公正性の担保を、集団(地域)内外の資源を活用して実現するための学問領域
「地域完結型医療」というのは「病院完結型医療」に対するアンチテーゼとして打ち出されたたもので、地域(集団)の人々の健康問題の解決に必要なリソースは地域外にあってもかまわない

2)地域(集団)間の健康格差の縮小を目指すのは公衆衛生学と同じところではあるが、そのアプローチに公平性を求めていない
公衆衛生学・・・地域(集団)への公平な取り組みによる公正(健康格差の縮小)
地域(保健)医療学・・・他地域(集団)と公平ではないかもしれない現状を前提とした取り組みによる公正(健康格差の縮小)

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(奈良県必要医師数実態調査に基づく医師数公開データの検証(第43回日本診療情報管理学会学術大会)より)

ERシステムFAQ(日本救急医学会)
http://www.jaam.jp/er/er/er_faq.html
医療計画(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/
病院のしくみ(9)医療サービスの区域(都道府県の医療圏とは) (高齢者住宅仲介センタースタッフブログ)
http://en-count.com/archives/hospital9

保健医療体系

P146図34を見ると、医療と住民(社会生活)の領域の離れ具合が垣間見える
この構造をBの領域をコアにする格好で再構築すると良いように思う

保険制度

国によって異なる。日本は国民がなにかしらの保険に加入

「医療制度の国際比較」報告書について(財務総合政策研究所)
http://www.mof.go.jp/pri/research/conference/zk087.htm

救急医療

ウォークインの話・・・コンビニと勘違いする人もいる

わが国の医療上の問題

標榜科 医療法の規制
診療報酬制度
家庭医の再認識
少子高齢化

授業後補足


第6回病気の原因

病気の内因,外因(第4章B)

なにかしらの事象が起こるにはなにかしら原因が必要
病因学・・・病気の原因を研究する学問領域
ただし、全ての原因がわかっているわけではない
根治的な治療⇔姑息的な治療

原因分類

主因と誘因

主因・・・特に重要なもの(直接原因・決定的要因))
誘因・・・副次的なもの(間接原因・遠因)
どれだけ誘因が集まっても主因がなければ発病しない

外因と内因

内因・・・体内の原因・・・病気の素因
1)年齢
<参考>
成人に達した川崎病について(日本成人先天性心疾患学会)
http://www.jsachd.org/faq/2012/04/post-137.html
2)性別
3)遺伝
4)先天異常
サリドマイドの抗がん作用について(銀座東京クリニック)
http://www.1ginzaclinic.com/thalido.html
5)体質
6)免疫とその以上
7)心因
外因・・・外部から身体に加わる原因
1・2)栄養物の過不足
世界糖尿病デー
http://www.wddj.jp/
3)物理的病因
物理的=機械的でもなく 熱とか光とか
医療において検査で使われてるところも多い。
<参考>第5回 保健医療情報システム(T)−医用画像について(大阪保健医療大学 医療情報学2016)
http://www.medbb.net/education/ohsumedinfo2016/#5
4)化学的病因
外来毒と自家中毒の違い
5)寄生体による病因
いわゆる感染症

到達度確認

直接原因と間接原因について医療以外の世の中の事象について例を挙げ、どのようにすれば事態を避けられるのかまとめよ

授業後補足


第7回病気による身体の変化

血行障害、進行性/退行性変化,炎症,腫瘍(第5章A)

血行障害

・虚血
 虚血性心疾患・・・心筋梗塞
 虚血性心疾患とは(公益財団法人日本心臓財団)
 http://www.jhf.or.jp/q&adb/category/c4/
・充血とうっ血の違い
 動脈血なのか静脈血なのか
・出血
 動脈性出血 静脈性の出血
・血栓症 塞栓症
ロングフライト血栓症(日本旅行医学会)
http://www.jstm.gr.jp/lft_01.html
震災時のエコノミークラス症候群を考える(イッツ・コミュニケーションズ) http://www.itscom.net/safety/column/021.html

進行性/退行性の変化

肥大⇔萎縮

炎症

炎症の主徴(ガレヌス) 発赤 発熱 疼痛 腫脹 機能障害
炎症の治療薬 ステロイド 非ステロイド

腫瘍

P86腫瘍の良性悪性の表をチェックのこと

奇形

先天性の病態な状態・・・遺伝因子だけではく外因(アザラシ症は先週の授業でもとりあげている)

授業後補足



第8回病気の診断

診察,診断,検査技術について(第4章A,第6章ABC1〜4)
<配布資料>
学生用共通基準範囲(可省項目) 平成23年8月19日一部修正(尿酸、鉄)PDF(学生用共通基準範囲(日本臨床検査医学会設定、2011))
http://www.jslm.org/committees/standard/c_reference_range110805.pdf


病理学

病気になると何らかの症状が現れる

器質的変化

肉眼的に見える病巣のあるもの

機能的変化

一時的な機能障害のあるもの

診断

dia(通して)gnosis(知ること)=知りぬくこと
科学の進歩とともに様々なことを知ることができるようになった
<参考>
生化学検査部門 (浜の町病院)
http://hamanomachi.jp/bumon/kensabu/seikagakukensa.html

直接診断法

症状や所見から診断する方法

間接診断法

除外診断法
治療的診断法
薬物の効果から診断

病歴の聴取

主訴・現病歴・既往歴・家族歴

診察

問診・視診・触診・聴診・打診
研修医1年次OSCE 医療面接篇(医師学)

症候と所見

自覚症状⇔所見(他覚症状) 系統別の症候は整理しておくこと

診断と検査

参考
臨床検査値 学生用共通基準範囲の設定について(日本臨床検査医学会)
http://www.jslm.org/committees/standard/ref_2011.html

第9回医療で発生する情報

<配布資料>
DPC 制度(DPC/PDPS※)の概要と基本的な考え方(中医協(厚生労働省))
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r985200000105vx-att/2r98520000010612.pdf
診療情報,DPCについて(第6章C5)
医療は様々な情報を発生させる

情報

joho20150613-5.png(149915 byte) joho20150613-6.png(111907 byte) データ:
一次データと二次データの違い。
 一次・・・ライブ。対象からダイレクト
 二次・・・既に記録されたもの。まとめられたもの

情報:
データに意味を付与したもの
 ただし受信者の特性に依存

知識:
情報を体系化したもの。
 受信者の知性は当然だが、提供されているデータや情報としての理解の度合いや誤解によって知識構造体に違いが出てくる。

変量(データ)の分類・・・測定尺度

変量は様々なものがあるがそれらの性質をとりまとめ分類することが出来る。
それぞれを尺度と呼び、4つに分類するのが一般的である
1名義尺度
2順序尺度
3間隔尺度
4比率(比例)尺度

1,2を質的データ(変量)(定性的)
3,4を量的データ(変量)(定量的)
性質としては上位互換性があり
4>3>2>1

カルテ

法令で「カルテ」なる言葉は出てこない。 「診療録」のことを指す
京都創成大学/京都短期大学メディアセンター報 芙蓉第18号

<参考> 東京都衛生部 都立病院における診療録等記載マニュアル
http://www.byouin.metro.tokyo.jp/hokoku/guideline/documents/sinryoroku.pdf

・医師法<資格法>で作成や保存について定められている。
・治療に関すること以外の記載もある

病名

病名は医学の進歩とともに
そもそも何のための病名なのか?
病気を治す(治療)に結び付く・・・一次利用
医学に結び付ける・・・二次利用
病名は名義尺度・・・統計処理(カウント)をするには→コード化ICD(教科書P170)

DPC/PDPS

DPC・・・(日本版)患者の診断群分類
医療資源を最も投入した傷病名と診療行為の組み合わせによる分類 PDPS・・・1日当たり定額報酬算定制度
<資料>
DPC 制度(DPC/PDPS※)の概要と基本的な考え方(中医協(厚生労働省))
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r985200000105vx-att/2r98520000010612.pdf

授業後補足

授業の中で取り上げたニュース
究極の美肌クリーム? 処方薬の美容使用が横行 化粧品購入感覚…保険から外す動きも(産経新聞2017.10.30)
http://www.sankei.com/life/news/171030/lif1710300004-n1.html

第10回病気の治療とリハビリテーション

治療法,リハビリテーションについて(第7章)

病気をなおすもの

自然の治癒力
治療は補助的な役目

治療法分類

具体的な話は「医学の歴史」の回で
経験的療法:なぜ功を奏すのかはっきりしないが「伝聞された」療法
合理的療法:合理的思考力によるもので「考えられた」療法

原因療法

原因を取り除く

対症療法

病苦を和らげる
患者の回復力を増強

予防療法

発症リスクを下げる療法

外科的療法

手術。最近は内視鏡を用いた外科的療法も

内科的療法

薬物療法や食事療法
化学療法(化学的な物質で病原体を攻撃)も含まれる

理学療法

物理療法ともいう
機械的運動(理学療法士 PT)を思い浮かべるが、放射線治療もこれ

作業療法

作業や動作によって
・身体の障害を補充代償
・精神を正常に

精神療法

全ての病気には精神療法が必要だが患者とのコミュニケーションですべての医療従事者が自覚の有無にかかわらず行っている
狭義の精神療法は、精神を心理的に分析

治療の基調をなすもの

安静

過度な安静は回復を遅らせたりなどなど
局所的(局部的)安静:関節とか・・・固定
全身的安静だけではなく、精神的安静も

食事

正しい食事・・・健康維持も病気の治療も
様々な食事がある。
形態@普通食A咀嚼に対応した軟食B消化食C嚥下食D嚥下訓練食E流動食
特別食:減塩食、貧血食、糖尿病食、肝臓病食、痛風食、透析食など
<参考>
食事の種類[type of meal](ニュートリー株式会社)
http://www.nutri.co.jp/nutrition/keywords/ch10-4/keyword1/

看護

患者の治癒を早める
医師の良き介助
患者や一般の人々に対するよき忠告者

リハビリテーション医学

リハビリテーションの目的

・病む器官を完全に治すことではない
・じょうずに使いこなせるように個人を指導すること
心身の多面的な幅広い援助と社会的支援が必要

リハビリテーションの施設と専門職

理学療法士
理学療法士とは(公益社団法人日本理学療法士協会)
http://www.japanpt.or.jp/aboutpt/physicaltherapist/
作業療法士
作業療法士ってどんな仕事?(一般社団法人日本作業療法士協会)
http://www.jaot.or.jp/ot_job
言語聴覚士
言語聴覚士とは(一般社団法人日本言語聴覚士協会)
https://www.jaslht.or.jp/whatst_g.html
<参考>
リハビリテーション3職種が語る〜医療の領域はない〜(大阪医専)
http://www.isen.ac.jp/cross/crosspoint/detail.html?id=2720

授業後補足



第11回病気の予防

予防医学,健診,衛生学,衛生統計について(第8章,付章AB)

病気の予防の原則

病原体の体内侵入の防止

感染経路
接触感染,介達感染,飛沫感染,空気感染,経口感染,昆虫媒介感染,血液感染,母子感染

<参考>
感染経路について(感染症.com)
http://www.kansenshou.com/infection-guide-infection-route/

免疫

痘瘡・・・天然痘
〈新1類〉痘瘡とうそう(天然痘てんねんとう)(Yahooヘルスケア)
https://medical.yahoo.co.jp/katei/251372000/?disid=251372000
自然免疫と獲得免疫の違い
T細胞とB細胞の違い
<参考>
モノクローナル抗体の作り方とは?(中外製薬)
http://chugai-pharm.info/bio/antibody/antibodyp12.html

予防医学と衛生学

予防医学・・・病気の予防
衛生学・・・健康に保つ
・個人衛生学・・・保健学

防疫

ワクチン接種

母子保健

昔と比べて安全になった
産後うつなどの問題など子育て環境が変化している
健やか親子21

高齢者保健

・高齢社会
・ADL
・認知症

労働衛生

WLB(ワークライフバランス)の話も重要

環境

公害の話だけではなく、新しい建材によって自宅でも

健診

病気の自覚・・・認識できるような見せ方や教育が必要
早期発見と予防

第12回医学の歴史

古代の医学,中世の医学,近代の医学(第2章1〜4)

医学の起源

医・・・治療
偶然含めなにかしたら効いた・・・民間療法
魔法医学・経験的民間医学からの脱却 → ヒポクラテス

ギリシア・ローマの医学

ヒポクラテス・・・体液説(血液・粘膜・黄胆汁・黒胆汁)
ガレヌス・・・炎症の主徴(発赤・発熱・疼痛・腫脹・機能障害)
誤りがあった・・・科学的である

中世の医学

サレルノ医学
唐の医学・・・奈良・平安時代の日本の医学に影響

近世の医学

ベサリウス・・・人体の解剖・・・「人体の構造に関する7つの書」
ハーベイ・・・血液循環
ヤンセン親子・・・顕微鏡
シデナム・・・病気の分類
ブールハーフェ・・・ベッドサイドティーチング
アウエンブルガー・・・打診法
ジェンナー・・・種痘
ゼンメルワイス・・・産褥熱

授業後補足


第13回 未来の医学

未来の医学と保健医療について

保健医療2035
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hokabunya/shakaihoshou/hokeniryou2035/
setonet20160521-26.png(247351 byte)
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地域と医療の統合に資する 情報活用の考え方 −不足の観点からみる医療2.10− より)
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