奈良県立医科大学 地域医療学2017(データ分析編)
(大学院看護学研究科)
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第1回〜2回 奈良県の保健医療に関するデータ分析
第1回〜2回 奈良県の保健医療に関するデータ分析
到達目標
1−1地域による違いについてデータを基に考えることができる
1−2データ比較することの意義について説明できる
1−3統計化することで失う情報があることを説明できる
奈良県の地域医療に関する話は以下を確認ください
年度 | 対象 | タイトル | パスワード | 備考 |
2017 | 奈良県立医科大学医学部医学科 早稲田大学全学共通副専攻「健康・医療」 |
コンソーシアム実習2・地域医療学概論(分担:奈良県の地域医療) | なし | 奈良県立医科大学・早稲田大学連携講座 |
データ分析にあたって
一次データと二次データ
データは目的に応じて丸めたり切ったりしてしまうので二次利用の場合は注意が必要。
とりあえず収集してデータベース構築が目的(データを活用してもらうことが目的)ならば、想定される利用(二次利用)に耐えうるデータを目指さなければ意味が無い(一次利用の目的を達成できない)
・一次データは情報源からダイレクトに取得するので粒度を目的にあわせてコントロールしている
・二次データは本来の目的と異なるデータ活用となるので、その目的に対してデータの粒度があわない事がある(細かい場合は粗くできるが粗いものは推定するしかない)
地域×保健医療(データの観点から)
公衆衛生と個人衛生(保健学)の違い集団からみていく地域の話・・・公衆衛生
個人からみていく地域の話・・・地域保健医療・・・それって違うの?
周藤が考える地域(保健)医療学(2016)
1)集団(地域)内における健康問題に関する公正性の担保を、集団(地域)内外の資源を活用して実現するための学問領域「地域完結型医療」というのは「病院完結型医療」に対するアンチテーゼとして打ち出されたたもので、地域(集団)の人々の健康問題の解決に必要なリソースは地域外にあってもかまわない
2)地域(集団)間の健康格差の縮小を目指すのは公衆衛生学と同じところではあるが、そのアプローチに公平性を求めていない
公衆衛生学・・・地域(集団)への公平な取り組みによる公正(健康格差の縮小)
地域(保健)医療学・・・他地域(集団)と公平ではないかもしれない現状を前提とした取り組みによる公正(健康格差の縮小)
データの話
1)データを集積する側から眺める世界データをまとめながら差異を見つけてそこからドリルダウン
2)データ発生源から眺める世界
なかなか大変だが、技術の進展により個人データの可視化・積み上げに関するハードルが低くなってきた
データを集積する側
どのようなところにどのような格好で情報が集積しているのか厚生労働統計一覧
http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/
保険医療機関・保険薬局の管内指定状況等について(近畿厚生局)
https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kinki/gyomu/gyomu/hoken_kikan/shitei_jokyo.html
平成26年度 病床機能報告制度に基づく集計結果(奈良県)
http://www.pref.nara.jp/module/75415.htm#moduleid75415
看護統計資料室(日本看護協会)
https://www.nurse.or.jp/home/statistics/index.html
などなど色々あります。
本授業(データ分析編)における設定目標
病院勤務医師数と病床数にある程度の相関があるのか?→もし、一定上の相関があるのであれば病床数から医師数を推定することが出来るはず
(まず平成26年医療施設(静態・動態)調査のデータを基に二次医療圏別の病院勤務医師数と病床数の関係をみましょう) http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/79-1.html
ちなみに、医師数に関して国が把握している調査データは他にもあります。
本当はどちらから算出しても同じデータになるはずなのですが・・・というところを今年分析して発表しております
(奈良県必要医師数実態調査に基づく医師数公開データの検証(第43回日本診療情報管理学会学術大会)より)
ここで 三師調査=医師・歯科医師・薬剤師調査
施設調査=医療施設調査
実態調査=奈良県独自の調査を指す
相関係数に関する話は下記の講義資料を参照
第5回 記述統計(W)−相関係数・回帰直線(奈良県立医科大学 生物統計学2017(医学部医学科))
http://www.medbb.net/education/nmubiostat2017/index.html#5
お題としては
近畿厚生局管管轄(福井県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県)の二次医療圏別に算出してください
その中で奈良県の二次医療圏(奈良 東和 西和 中和 南和)がどの辺に位置しているのか見えてきます
最初に作成する表のイメージ
授業後補足
お題の散布図 X軸は常勤換算医師数 Y軸は病床数 オレンジ色は奈良県の二次医療圏 平成26年医療施設(静態・動態)調査(厚生労働省)を加工して作成 |