奈良県立医科大学 生物統計学2020
(医学部医学科)

授業メニュー(ツイキャス配信の録画をstreamで見れるようにしています.[配信前半][配信後半]をクリック.)
第1回 オリエンテーション 配信前半 配信後半

第2回 尺度・度数分布 配信前半 配信後半

第3回 代表値・散布度 配信前半 配信後半

第4回 平均値の推定 配信前半1 配信前半2 配信後半 課題解説と次回の予告

第5回 検定の原理 配信前半 配信後半 課題解説と次回の予告

第6回 パラメトリック検定 配信前半 配信後半 課題解説と次回の予告

第7回 ノンパラメトリック検定 配信前半 配信後半 課題解説と次回の予告

第8回 計数値データの検定 配信前半 配信後半 課題解説と次回の予告

第9回 独立多群間の比較 配信前半 配信後半 課題解説と次回の予告

第10回 相関係数・回帰直線 配信前半 配信後半 課題解説と次回の予告

第11回 多変量解析 配信前半 配信後半 課題解説と次回の予告

第12回 相対危険度 配信前半 配信後半 課題解説と次回の予告

第13回 感度・特異度・ROC曲線 配信前半 配信後半

第14回 生存時間分析 配信前半 配信後半1 配信後半2 課題(13,14回)解説と次回の予告

第15回 まとめ 配信前半 配信後半



前半の配信および課題時間の間チャット(teams),LINEから質問・コメント入れてください.
後半の配信でその内容を反映して解説します
授業中のリアルタイムビデオ通話は無理があるので止めました.講義後のオフィスアワーの活用でよろしくお願いします.
ビデオ通話はteamsのチャット,zoom,googleハングアウトのいずれかで行おうと思います.個々が使い良いものを選択してください.私はどれでもOKです.(20200420)(20200506一部削除)
授業配信ページ(Twitcasting @sutolabo)
https://twitcasting.tv/sutolabo/

第1回 オリエンテーション

到達目標
1−0本科目における単位取得の意味合いを理解する
1−1統計の限界について理解する
1−2確率について理解する

開講するにあたって

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響によりオンライン形式の授業を当面行います.
従来は「遠隔授業」と呼んだりしますが,皆さん大学近辺におられますし「近隣授業」と呼びましょうか.
ICTの活用により従来と同じような学修環境になるよう,考えながら進めていきます.
オンライン診療は対面診療の補助的な役割ですが,未来は変わるかもしれません.
授業も対面を前提にデザインしているかぎり,補助的なものになってしまいます.未来に向けて色々トライしながらですがよろしくおねがいします

皆さんが同じ環境でいることが望ましいので
・教科書
・ネット環境
・スマートフォン
パケットが気になるのでなるべく迷惑を掛けないように考えています.

「遠隔(近隣)授業」の進め方

事前準備
1)授業掲示板にある本科目の私のメッセージをご覧ください
2)このページ(http://www.medbb.net/education/nmubiostat2020/index.html)を見ておくように
3)コチラのメッセージにコメント付けてください.お名前は本名以外.そして俳句でも短歌でも今日の漢字一文字でもなんでも
4)動画配信のページhttps://twitcasting.tv/sutolaboに一度行っておいてください.
  ブラウザでも見れますがよろしければ視聴用のアプリ導入も検討ください

当日
1)このページ(http://www.medbb.net/education/nmubiostat2020/index.html)にアクセスしてください.
2)コチラからメッセージ入れてください.お名前は本名以外.そして今の気分か好きなスポーツいずれか書いてください
3)みなさん揃ってから動画配信のページに行きます.私が良いと書いてから動画配信のページhttps://twitcasting.tv/sutolaboに行ってください

私との連絡方法
私へ連絡から連絡ください
無理な場合は大学にお問い合わせください.


以下参照情報
【検証】ツイキャスアプリのデータ通信量と1GBまでの目安。節約方法は?(NetSetsu)
https://net-torisetsu.jp/twitcasting-traffic/

本授業の位置付け

医学教育モデル・コア・カリキュラム(平成28年度改訂版)をベースに構成
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/033-2/toushin/1383962.htm

本講義が医学教育モデル・コア・カリキュラムにおいて担う部分・関連のある部分
B社会と医学・医療
 B-1 集団に対する医療
  B-1-1) 統計の基礎
   確率には頻度と信念の度合いの二つがあり、それを用いた統計・推計学の有用性と限界を理解し、確率変数とその分布、統計的推測(推定と検定)の原理と方法を理解する。
  B-1-2) 統計手法の適用
   医学、生物学でよく遭遇する標本に統計手法を適用するときに生じる問題点、統計パッケージの利用を含めた具体的な扱い方を修得する。
  B-1-4) 疫学と予防医学
   保健統計の意義と現状、疫学とその応用、疾病の予防について学ぶ。

以下の部分は統計データで話が出来たらと思っています.

  B-1-7) 地域医療・地域保健
   地域医療・地域保健の在り方と現状及び課題を理解し、地域医療に貢献するための能力を獲得する。

本授業の目的

 生物統計学は、保健医療分野における課題を統計的手法により明らかにし解決に資する学問である。ここでは、統計学の基礎から本分野においてどのような統計的手法が用いられてきたのか理解し、データの収集・解析・結果の解釈に必要とされる基礎知識を修得する。

本授業の到達目標

0)統計手法など必要に応じて「勉強すれば出来るようになる能力」を獲得する
1)データの性質に関して説明できる
2)基本的な統計指標を算出できる
3)統計的推定を理解し実施できる
4)統計的検定を理解し実施できる
5)データを取り扱う上での注意点を説明できる

教科書

新版統計学の基礎 第2版
http://www.nikkyoken.com/catalog/catalog_education/642

参考図書

授業中に紹介します

参考資料

必要に応じて適宜配布しますがなるべく配布せずに済むように出来たらと思っています

授業の進め方


電卓使いますのでよろしくお願いします(授業中はスマホでかまいません。試験はどうしようか考え中)

単位認定

毎回「授業課題」を実施します。昨年までは紙で行っていましたが本年度は当分の間デジタルで提出いただきます。

課題について集計したものや学習指導上皆で共有したほうが良いものについてはWeb上に出せたらと考えています.
同意されない方につきましては私まで申し出てください.評価には一切関係ないのでご安心ください.
あと,設問に関係ないけどほのぼのした内容も時々出せたらと思っています.
これまでの講義での例
nmubiostat2018-0701.png(42771 byte)
nmubiostat2018-0903.png(24401 byte)
nmubiostat2018-1501.png(7344 byte)
nmubiostat2018-1502.png(23289 byte)

統計はある集団の全体像を一方向から眺めているだけ,その視点が大切

この地図からこの指摘はするどい思いました.山陰出身の私は,中国山地の壁は厚い!(憧れの山陽側への道は遠い)などと思ってたところで
評価方法はシラバスのとおりです.

Donabedianの提唱する医療の質の評価・・・「構造」「過程」「成果」
本授業では
構造・・・講義を行う環境(受講に関する全体評価)
過程・・・到達度確認の状況(受講に関する個別評価)
成果・・・試験(個々)
と定義しました。
成果の指標も色々
参考:医療の成果に関する指標(アウトカム指標)及び過程に関する指標(プロセス指標)の取扱い(医療情報の提供のあり方等に関する検討会(第8回)厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001u0or-att/2r9852000001u0tr.pdf

統計の世界の枠組み

記述統計と推測統計に分類される

記述統計とは

・収集したデータを要約してその集団の状況を表す
・そこにあるデータは全体(母集団)
・度数(分布)・代表値・散布度・相関係数など

推測統計とは

事象の起こる確率を仮定した上で全体(過去・現在だけではなく未来も含む)を推測する。推定と検定に分類される。
推定とは
・収集したデータを基にしてその集団の状況を表す
・そこにあるデータは一部(標本)
・点推定・区間推定・モデリング
検定とは
・収集したデータを基にしてその集団の状況を仮定に従ってyes/Noで判断する
・そこにあるデータは一部(標本)
・t検定・カイ二乗検定など

母集団とは

対象としている集団の全体を指し示すときに「母」を最初に付ける。
無限母集団と有限母集団からなる。
対象が有限か無限に増殖するかの違い

標本とは

母集団の一部。
昆虫標本を思い浮かべると、偏りに注意する必要があることは自明。
参考
標本調査はサンプル抽出が命(The Huffington Post Japan)
http://www.huffingtonpost.jp/nissei-kisokenkyujyo/sample-survey_b_5878832.html

統計処理について

集団から個々のデータをとりまとめて示すので・・・
nmucommed2017-01.png(276444 byte)
奈良県立医科大学大学院看護学研究科 地域医療学(分担:データ分析編) より)
データは目的に応じて丸めたり切ったりしてしまう。故に二次利用の場合は注意が必要。
とりあえず収集してデータベース構築をすることが目的ならば、分析は既に二次利用。耐えうるデータを目指さなければ意味が無い
・一次データは情報源からダイレクトに取得するので粒度を目的にあわせてコントロールしている
・二次データは本来の目的と異なるデータ活用となるので、その目的に対してデータの粒度があわない事がある(細かい場合は粗くできるが粗いものは推定するしかない)
医療情報学の分野は二次利用がテーマ

たとえば平均値の話

平均は一つの指標であって個々は自由にふるまう結果に過ぎないが,情報に過剰適合しようとすると・・・
1980年代後半と2010年代前半のとある会社の入社式を比較すると、時代の流れで規格品化が加速しているよう…様々な背景がある? (Togetter)
https://togetter.com/li/1334360
データ(情報)により意図せずとも同期がとれる時代なのかもしれない

01授業課題

1)(公表しても良い範囲で)一番確率の低いと思われる遭遇したことのある出来事はなんでした?その確率は何%ぐらいの出来事だったと思われますか?。
2)(公表しても良い範囲で)平均に惑わされたなと思う出来事ありました?あればどのような事でした.無い方は平均に救われたこと(公表しても良い範囲で)教えてください
3)本日の遠隔(近隣)授業の良かった点と悪かった点(評価には影響しませんので)
4)次回もツイキャス配信で良いですか?
5)teamsのみ導入・・1 teams+slack・・2 slackのみ・・・3  なにも入れてない・・・0

授業後補足


第2回 尺度・度数分布

到達目標
2−1データの尺度分類(4つの尺度)について説明できる
2−2度数分布表が作成できる

母集団と標本の補足

母集団から抽出して標本を作るとき,気をつけないと偏る話

平成28年(2016年)医師・歯科医師・薬剤師調査の概況(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/ishi/16/index.html
地域偏在,診療科偏在の話
naracommed20190313-11.png(144357 byte)
奈良県の医療を取り巻く状況について より)

変量(データ)の分類

変量は様々なものがあるがそれらの性質をとりまとめ分類することが出来る。
それぞれを尺度と呼び、4つに分類するのが一般的である
1分類尺度(名義尺度)
2順序尺度
3間隔尺度
4比尺度(比例)

1,2を質的変量(定性的)
3,4を量的変量(定量的)
性質としては上位互換性があり
4>3>2>1

教科書は間隔尺度及び比尺度に関して統計処理上区別する意味は無いとなっているが、注意は必要
ポイントは数学的には正しかったとしても意味的に正しいかどうか

度数分布表

それぞれのデータ(変量)の数(出現頻度)をまとめたもの
変量が名義尺度の時は多い順(お作法として。但しその他を出すなら一番最後)
順序尺度以降であれば順(名義尺度でも比較のためにお作法を破ることはある)
度数  ・・・出現頻度
相対度数・・・総出現頻度を1(100%)としたときに、それぞれの度数がしめる割合
累積度数・・・上位の変量の度数もあわせた度数
累積相対度数・・・累積度数の相対版

教科書P11の「複雑な調査データ」TGの度数分布表を作成してください
<参考> トリグリセリド(TG:中性脂肪)―脂肪の主成分、肥満の指標―(公益財団法人 神奈川県予防医学協会)
http://www.yobouigaku-kanagawa.or.jp/kensa/kensati09.html
階級 階級値 度数 相対度数 累積度数 累積相対度数
75〜100 87.5
100〜125
125〜150
150〜175
175〜200
200〜225
225〜250
250〜275
275〜300
----- 18 1.00 ----- -----

度数分布図

度数分布を縦棒グラフで示したもの
量的変量の場合「ヒストグラム」→縦棒の間隔は無し(量だから)
棒グラフの面積がその度数の量を示す。→ある部分だけ階級幅を倍にした場合度数は半分で描く
例:
nmubiostat2017-0102.png(3848 byte)
第1回 オリエンテーション 奈良県立医科大学 生物統計学2017(医学部医学科) より)

本日の課題

1)配布した個票データより度数分布表を完成させよ
nmubiostat202002-01.jpg(85714 byte)
2)下記の度数分布表の空欄部A,B,Cを求めよ
階級 階級値 度数 相対度数 累積度数 累積相対度数
0.5〜1.0
1.0〜1.5 6 A 0.325
1.5〜2.0 0.1 17
2.0〜2.5 B 0.65
2.5〜3.0 7
3.0〜3.5 0.125 C
3.5〜4.0
----- 1.00 ----- -----
3)課題の回答の利用許諾 0・・・すべてダメ 1・・・統計処理された状態でのみ可 2・・・個別の回答の提示可
0の場合はデータ集計の段階で除外するので公開回答数に含まれません
1の場合は個別例は提示しません
2の場合は氏名や個人を特定できる恐れのある部分は削除して提示

授業後補足

0.5〜1.0 はこの授業では0.5以上1.0未満 で統一します
以下の車のキャッチコピーを思い出します
当時のCMのキャッチコピーは「友達以上恋人未満」トヨタのサイノスコンバーチブルというクルマ(OPENcarラボ)
https://www.opcar-lab.com/column/sinos_convertible-more-than-friends/


第3回 代表値・散布度

到達目標
3−1代表値の算出及び特性について説明できる
3−2散布度の算出及び特性について説明できる

教科書P20-31

代表値と散布度と大きさn(個数や事象数)が提示されれば、その集団がどんなものか想像出来る(マラソン実況)

代表値

average(その集団でとりまとめたデータを数値一つで表す。excelはaverage関数で算術平均を出すが、代表値の代表ということだからと解釈しています)

算術平均

mean(算術平均以外にも相乗平均(積して累乗根をとる)などもあります)
1/n・Σxi
パレートの法則(80-20の法則)
代表値なのに実在しない場合がある → 集団の指標(重心)であって、事象を代表する値そのものを示しているとは限らない

寄り道

民間給与実態統計2015(国税庁)
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/GL08020103.do?_toGL08020103_&listID=000001159883&requestSender=dsearch
第9表 業種別及び給与階級別の給与所得者数・給与額 より ローレンツ曲線
nmubiostat2017-0301.png(17389 byte)
ジニ係数は医療,福祉0.358 不動産業,物品賃貸業0.439 電気・ガス・熱供給・水道業0.230
ちなみに奈良県の医師偏在の話で曲線を描くと(市町村単位)
naracommed20170322-24.png(117341 byte)
データ分析から考える地域医療の課題 より)
もっとも地域別医師数偏在の話が解消されればすべてが解決されるわけでもないですし、範囲を狭めていくほど偏在は生じるわけですから・・・
リソースの地理的な偏りをゼロにすることそのものは目的ではなく解決に近づく手段であって、提供になるべく偏りがでないような配分ができる仕組みとのパッケージと考えております

加重平均
重みづけをした平均
1/n・Σmixi
応用 度数分布表を基にした平均値の計算法
Σ(階級値×度数)/観測数

中央値

median(別名第2四分位数)
量的変量を順序尺度で処理した代表値
順番に並べたとき真ん中の順位にきた個体の値
個体数が偶数の時は真ん中2つの数値の平均値
スキージャンプの飛型点は中央値的なノリで算術平均している
スキージャンプを知ろう!!ルール解説(ジャンプ雪印メグミルク)
https://www.meg-snow.com/jump/rule/rule.html

最頻値

mode(流行,はやり)
違う意味で数の理論(多数決)の世界
量的変量を名義尺度で処理した代表値
名義尺度でわかることは一緒か違うか
階級毎に度数をカウント
一番多いところの階級値
一位が同点の時は併記(平均をとると えっオレ優勝!?状態になる)



散布度

dispersion

最大値と最小値を使う

最大値と最小値がわかればその集団のバラツキがわかる
最大値maximum excel max関数
最小値minimum excel min関数

範囲

Range
R=最大値−最小値

特徴
 外れ値もひらう
 算出が用意

四分位数を使う

Quartile
小さい順(昇順)に並べて集団を4分割

四分位範囲

IQR(interquartile range)
IQR=Q3-Q1

四分位偏差

QD(Quartile Deviation)
QD=IQR/2
範囲は集団を外から見たバラツキをイメージ
偏差は集団の内部のある値からのバラツキをイメージ

平均値を使う

mean

偏差

Deviation
もともとは標準となる数値からのズレ(偏り)を意味するものだが統計の世界では集団の平均値からのズレを示す
偏差の平均をとれば集団内の各々のズレっぷりがわかる → 合計は常に0 故に平均も常に0

分散

variance
V excel関数はVAR
偏差を二乗したものの平均

標準偏差

Standard Deviation
記号は標本標準偏差s 母標準偏差σ
s=√V
(故にVはs^2やσ^2で表現する)
nmubiostat2016-0302.png(3064 byte)

本日の課題

1)先週の課題1の収縮期血圧の平均値を求めよ
2)先週の課題1の収縮期血圧の度数分布表から平均値を求めよ
3)(算術平均)と(度数分布表から求めた平均)は殆どのケースで一致しない.生じる差は理論上最小で0だが、最大でどの程度異なるか説明せよ
4)平均値が3.3,中央値が3.5,最頻値が1.5となるよう以下の度数分布表の空欄(A),(B),(C)を求めよ
階級 階級値 度数 相対度数 累積度数 累積相対度数
0.0〜1.0 0.5 3
1.0〜2.0 1.5 5
2.0〜3.0 2.5 (A)
3.0〜4.0 3.5 (B)
4.0〜5.0 4.5 (C)
5.0〜6.0 5.5 3
6.0〜7.0 6.5 3
----- 25 1.00 ----- -----

授業後補足

本日紹介した話


第4回 平均値の推定

到達目標
4−1標準偏差と標準誤差の違いを説明できる
4−2母分散が未知の場合でも母平均を区間推定できる

教科書P32-40,52-53,70-73,270-271

推定

母集団から抽出した標本を基に母集団の分布を示す値(母数)を推測する
点推定と区間推定がある

点推定

一つの値で推定
母平均の推定値は標本平均
母分散の推定値は不偏分散
先週の話 教科書P22-23参照

区間推定

母数がある確率で入る幅を持った推定値
本日の目標はP70の話を理解すること。母平均は一定なのに標本平均は標本毎に異なるので幅を持たせる
nmubiostat2016-0401.png(9702 byte)
標本平均に幅を持たせることで、その枠内に母平均が入る。→平均値のバラつき具合が標準誤差 SE=σ/√n

標準偏差と標準誤差

(教科書P52)
・標準偏差は標本の分布のバラツキ具合を示したもの
・標準誤差は母集団から抽出した標本の平均値のバラツキ具合
SE=σ/√n

標準誤差SEはなぜ標準偏差σを√nで除するのか


標準誤差は母平均に対する標本平均のバラつき指標(標準偏差)の話
対象が母集団全体ならば0だが,母平均(μ)と標本平均(xbar)には差が生じる
ある標本における平均値と母平均の偏差平方は
(xbar-μ)
=((1/n)Σx-μ)
=((1/n)Σx-(1/n)Σμ)
=((1/n)Σ(x-μ))
=(1/n)(1/n)Σ(x-μ)
 -----
 ここで
 (1/n)Σ(x-μ)
 をσとおくと
 -----
=σ/n
故に標準誤差は
SE=σ/√n

正規分布

左右対称の釣鐘状分布(教科書P32-40)
平均値に近いほど出現率が高く遠ざかるに従って低くなる(ことが多い)
同じ事柄を同じ条件で繰り返すと正規分布になるという話→中心極限定理
「異質な集団の計測値が組み合わさった分布は正規分布とならない」(教科書P33)
正規分布っぽい形状の判断→P28 歪度 尖度を参照
教科書には検定表もついておりますが(まだ授業で検定の話は一切しておりませんので)・・・いずれの機会で
検定するときには「分布の正規性」に関してデータ数が大きければ制約なしなので(P6)、あまり気にしなくても・・・

中心極限定理

標本の大きさが十分であれば標本平均の分布は正規分布
 →正しく測定されているのであれば偶然誤差の発生は正規分布に従う
 →測定回数を増やせば増やすほど


真度と精度の話(誤差)に置換えると
ohsustat2016-01a.png(206456 byte)
正規分布の話は精度の話。右に行くほど(精度が悪くなるほど)広がる
ただし均等にバラつくはずであっても試行回数が少ないとばらついて見えることもある
0から49999までの乱数でXY座標を発生させプロット1万回分
nmubiostat2019-0401.png(86884 byte)
0から49999までの乱数でXY座標を発生させプロット千回分
nmubiostat2019-0402.png(18835 byte)
0から49999までの乱数でXY座標を発生させプロット百回分
nmubiostat2019-0403.png(6360 byte)
標準正規分布
平均値が0標準偏差=1(分散も1)になるように値を変換したもの
偏差値は平均値を50、標準偏差=10になるように値を変換したもの

両者の関係
偏差値=50+10×z


母標準偏差が既知の場合の区間推定

(教科書P70)
正規分布表でなぜ1.96になるのか確認

母標準偏差が未知の場合の区間推定

(教科書P70)
正規分布は母平均値と母標準偏差が分からないと使えない→nが多い場合標本平均と標本標準偏差(不偏標準偏差))で近似できるが
nが少ない場合は近似できない→t分布(標本の自由度νさえわかっていれば、後は検定統計量を求めれば確率がわかる)
t分布
P64-66
自由度のみできまる確率分布
自由度・・・標本の中で自由に振る舞うことが許されている個体の数
      統計量が母数の推定となると、自由に振る舞えない個体が出てくる(つじつま合わせ)(P73)
標本分散は偏差二乗和を個体の数で除することで求めるが母分散のほどよい推定である不偏分散はn-1(自由度)で除する
正規分布との関係を確認
nmubiostat2018-0401.png(3867 byte)
でP70を再度確認

この教科書では母標準偏差が既知か未知かによってのみ分けていますが,標本サイズが大きければ未知であっても正規分布を使って推定しているものもあります.
例えば30以上で標本サイズは大きいと判断されている場合もあります.

検査値の基準範囲について

教科書P35
健常者を対象に測定したデータの95%(つまり健常者であっても5%は外れる)
平均値の区間推定は標準誤差を用いるが、こちらの場合は標準偏差。分布に関して考慮する必要がある。
<参考> 「基準範囲・臨床判断値」臨床検査のガイドライン JSLM2018(日本臨床検査医学会)
https://www.jslm.org/books/guideline/

本日の課題(3,4は配信方式アンケート)

1.サイコロを100回振ったところ出目の合計は320だった.平均値の95%信頼区間を求めよ.(母標準偏差求めれますよね)
2.P20の生データより母平均の95%信頼区間を求めよ.
3.(アンケート)授業ライブ配信について A:Teamsで実施してほしい B:ツイキャスで実施してほしい C:どっちで実施しても一緒です
4.(アンケート)のアンケートについてご意見あればよろしくお願いします.

授業後補足

本日の余談

不偏分散は何故nではなく(n-1)で除するのか


求める対象(標本)が母集団全体だったとすると母分散は
(1/n)Σ(x-xbar
  しかしながら対象が母集団の一部であれば,母平均(μ)=標本平均(xbar)とは限らないので,μとxbarの差を考慮して母分散を求める(推定する)必要がある
(1/n)Σ((x-μ)-(xbar-μ))
=(1/n)Σ(x-μ)-(2/n)Σ(xbar-xμ-μxbar)+(1/n)Σ(xbar-μ)
=(1/n)Σ(x-μ)-2(xbar-2μxbar)+(xbar-μ)
=(1/n)Σ(x-μ)-2(xbar-μ)+(xbar-μ)
=(1/n)Σ(x-μ)-(xbar-μ)
 -----
 ここで それぞれ
 (1/n)Σ(x-μ)=σ
 (xbar-μ)=σ/n
 (注:詳しくは,講義内に説明した
「標準誤差SEはなぜ標準偏差σを√nで除するのか」参照)
 とおくと
 -----
=σ/n
=((n-1)/n)σ

故に母分散の程よい推定値である不偏分散は
U=n/(n-1)・(1/n)Σ(x-xbar
 =(1/n-1)Σ(x-xbar
となる.

第5回 検定の原理

到達目標
5−1確率がどのような意味合いのものか理解する
5−2仮説検定の論理構成を説明できる

教科書第零章P3-P7
教科書第三章(01-02)P46-51
教科書第十章Q3Q4参考Q8(P207,208,215,220)

確率

ある事象が起こることが期待される度合い(割合)
試行 サイコロを振って3の目が出る(y or n)
確率 サイコロを振って3の目が出る(1/6)
繰り返し試行を行うと頻度割合はその事象の確率へ収束していく
生物を対象とした場合試行を繰り返せる?→無理な場合が多い→条件を近づけて繰り返したと見做す
条件が近くないと単純に比較できない→(教科書220)

試行の結果は事実で正しい。かといってそれが常に正しい(真)とは限らない
次の試行以降で異なる結果がでる可能性を排除できない→永遠に試行を繰り返さないとならず法則が出せない
(故に異なる現象の起こる確率にたいして閾値を定めて、なかったことにして一般性を主張するスタイル)
事象の起こる確率が著しく低くても、実際に起こらないわけではない。

参考
デジタル絵本 かっぱの雨乞い (札幌平岸高校デザインアートコース)

降るまで雨乞いをするので「雨乞いをすれば雨が降る」となってしまう
参考
単語記事: テレ東伝説(ニコニコ大百科(仮))
http://dic.nicovideo.jp/a/%E3%83%86%E3%83%AC%E6%9D%B1%E4%BC%9D%E8%AA%AC

背理法(P47)

命題の否定を仮定して話をすすめて、その矛盾を示すことで命題が成り立つとする論法
差のあることを証明するにあたって「差が無いことを」を証明できないことを根拠にする
(差(違い)を定義するにも区間推定で明らかなように,確率一定でも値は変化する)
<注>好きの反対は嫌い ではなく無関心という考え方.

仮説検定

教科書P46-
<大前提>やみくもに検定するのではなく、検定する理由・確信があるから確かめる という感じで
手順1:仮説をたてる(帰無仮説H0および対立仮説H1)
背理法に基づく証明をしている。
(差がない仮説が証明できないので、その対立である差がある仮説を採択する)
手順2:検定統計量を計算する
その事象の起こる確率を計算していることになるが、用いる確率分布によって計算式が異なる。
(実データを確率の世界のスケールに変換) 教科書P50では(3)の前半の部分Z= の部分がそれ

手順3:有意水準を決める
確率的に必然と偶然を切り分けている。一般に5%で分けているが1%の時もある
手順4:有意水準と比較し、仮説を棄却採択する
例)帰無仮説H0を棄却し対立仮説H1採択

注意
P49の話はいずれ


両側検定片側検定

P207
一緒な有意水準で比較した場合 片側は棄却域が存在しないことと,他方は棄却域が大きくなってしまう → 帰無仮説が棄却されやすくなる状況

有意水準は常に0.05?

P208
有意差は有意水準が一緒でもn=が大きくなると少ない差でも優位と判定されてしまう.

αエラー βエラー

教科書P215

第一種の過誤
αエラーの起こる確率(誤って有意差があると判定)=有意水準
エラーを気にしなければいつの日か、都合の良い結論が得られるかもしれない → 雨乞い
故にやみくもに検定するのではなく、至るまでのストーリーが大切
第二種の過誤(βエラー)・・・誤って一緒と判定する確率
βエラーの起こる確率(誤って有意差が無いと判定)=検出できない=1−検出力(Power)=β
検出力=1−β
サンプル数↑・・・検出力↑・・・β↓
一般に検出力0.8〜0.9で違いを見積もった上でサンプル数を決定する
検出力をが上がるとβエラーの確率は下がるが,統計的有意差と臨床的有意差の話が出てくる.

仮説検定は用法を守り正しく使いましょう

到達度確認

1)先週の課題1のサイコロの話で100回試行したところ出目の総和は385だった.帰無仮説H0:μ=3.5 対立仮説H1:μ≠3.5 として 有意水準5%および1%で検定せよ
 (使ったサイコロは本当のサイコロかイカサマサイコロか)

授業後補足

第6回 パラメトリック検定

到達目標
6−1パラメトリック検定の頑強性robustnessを説明できる
6−2t検定を行うことができる

教科書

第2章P44 計測尺度と統計処理方式
第4章P57-69 関連2群の差の検定
第5章P81-101 独立2群の差の検定
第10章P204 Q1,Q2

パラメトリックとノンパラメトリック

教科書P44
分布の形状(母数)に依存する統計量(平均値 標準偏差・・・量的変量)
分布の形状(母数)に依存しない統計量(順位 中央値 パーセント値・・・質的変量)
教科書P4-7,204
パラメトリック検定・・・計測値の分布が正規分布であることを仮定
正規確率紙法・・・Q-Qプロット
データをノンパラメトリックとみなして順序に直してそこからパーセンタイルを求めて、値を確率分布(正規分布)に代入して期待値を算出して比較する。
P11複雑な調査データTGを用いて
nmubiostat2017-0901.png(44808 byte)
<参考>正規確率プロットの作り方(統計WEB 社会情報サービス統計調査研究室)
https://software.ssri.co.jp/statweb2/tips/tips_8.html

適切な統計処理に必要な考え方

P203-216
Q2検定法によって判定が異なる場合
 →データが出てから検定法を選択するのは適切ではない
Q5有意差検定が無意味な場合
 →統計的有意差と臨床的有意差の話  教科書の効果量に対する必要データ数を可変させたものが以下

 各群10データで検定すると10kg程度となるが、そこまで体重が変化しているとなにか違う出来事が起こっている気がする
 各群1000データぐらいで検定すると1kg程度で有意な結果となるが、本当に意味あるのか気になる
 nmubiostat2016-0901.png(37095 byte)
   <参考>その治療は臨床的に有益か(PEDro)
 https://www.pedro.org.au/japanese/tutorial/is-the-therapy-clinically-useful/
 <参考>統計的有意性とP値に関するASA声明
 http://biometrics.gr.jp/news/all/ASA.pdf
 以下抜粋しました
 1. P値はデータと特定の統計モデルが矛盾する程度をしめす指標のひとつ
 2. P値は、調べている仮説が正しい確率を測るものではない
 3. 科学的な結論は、P値がある値を超えたかどうかにのみ基づくべきではない
 4. 適正な推測のためには、すべてを報告する透明性が必要
 5. P値は、効果の大きさや結果の重要性を意味しない
 6. P値は、それだけでは仮説に関するエビデンスのよい指標とはならない
・データ数大きい場合は区間推定のほうが意味ある。

教科書P6テーブル(適用要件による使い分け)

1標本t検定・・・空白
2標本t検定・・・2群の等分散性
空白の意味は、データ元が同じところなので問題にならない
2群の等分散性に関しては、ぞれを前提として検定が成り立っているので(以下に紹介する(スチューデントの)t検定は
無論、等分散ではない場合に用いる検定(ウェルチのt検定)もあるのですが、そちらを最初から使った方が良いという話があります。
ノンパラかパラメトリックの話と同様ですが、どちらでやろうとも有意差が出てるぐらい明確なものが理想ではありますが

2群の差の検定

1標本t検定(関連2群)

教科書P58
P60例題8を見ながら
関連する2群(ペア)・・・一つの群を2回測定している
前後の差を見る
t値(標準化された検定統計量)・・・2群のペアの差の平均を標準誤差で正規化したもの
帰無仮説は前後の差がゼロ
検定統計量と有意水準αのt値を比較する。

2標本t検定(独立2群)

教科書P82〜 P84例題12 P87例題13
こちらの場合は、教科書的にはF検定(P86)で等分散を確認してからの手順になる。
一標本との違いは分散が2種あること(一標本はペアの差をとるので一つ)
そのため合成する
t値・・・それぞれの群の平均の差を標準誤差で正規化したもの
F分布・・・χ分布の時にお話しします

 

到達度確認

1)P76例題10をt検定で(有意水準5%及び1%で)) 2)P60例題8を脈拍(前)を非投与群(6人),脈拍(後)を投与群(6人)と別々の被験者の測定値とした場合A剤に効果があるといえるか検定せよ.(有意水準5%および1%で)
等分散(2群の分散が異なるとは言えない)とする.

補足

ロバストネスとは何か?(HM's webpage)
https://tenure5.vbl.okayama-u.ac.jp/~hisaom/HMwiki/index.php?%E3%83%AD%E3%83%90%E3%82%B9%E3%83%88%E3
%83%8D%E3%82%B9%E3%81%A8%E3%81%AF%E3%81%AA%E3%81%AB%E3%81%8B%EF%BC%9F


第7回 ノンパラメトリック検定

到達目標
7−1パラメトリック検定とノンパラメトリック検定の違いを説明できる
7−2ノンパラメトリック検定を行い判定することが出来る

一標本Wilcoxon検定

ウィルコクソンの符号付順位和検定
教科書(P6)・・・分布型,計測尺度,分散の制約なし
教科書(P74)
1:ペアのデータの差dを求める
2:dの絶対値よりそれぞれの差(d)の順位(昇順)を求める
  同順位の話・・・教科書P76参照
3:検定統計量Tは+,−別に順位を足したもので小さい方
T0=min(T1,T2)
有意確率については直接計算出来るが(P75)延々と計算していくのは大変
n≦25まではWilcoxon検定表を使ってください(P274)
N数が少ないと(空白の部分)判定保留にしかならない
教科書P78参照のこと

n>25は正規分布に近似と見なしてz値を求める方法で検定

平均値

検定統計量Tの平均値
T1=n(n+1)/2-T2
T2=n(n+1)/2-T1
(Σk=n(n+1)/2)
T1+T2=n(n+1)-T1-T2
2*(T1+T2)=n(n+1)
μT=(T1+T2)/2=n(n+1)/4

標準誤差

σT=√(n(n+1)(2n+1)/24)

検定統計量

Z=(T-μT)/σT

連続補正

P137参照

P76(例題10)で説明します.

Mann-Whitney検定

二標本になるとややこしくなるのはパラメトリック検定と同じ
P102-113参照
検定統計量
自群の個々について、それよりも他群で大きい個体数の総和を求めて検定統計量としている
1:ある群(A)の値それぞれがもう一方の群(B)に入ったとしたときに(Aの)その値よりも(Bの群のなかで)値が大きい個数をカウントする。(A群の)全てについて行い和をとる。(順位-1の話)
2:AとBを入れ替えて1:と同様の計算をするか、公式でB群の和を求め小さい方を検定統計量Uとする
  同順位の話・・・教科書P103参照

こちらも標本数が多くなると正規分布の話が出てくる

平均値

μU=n1n2/2

標準誤差

σU=√n1n2(n1+n2+1)/12)

検定統計量

Z=(U-μU)/σU

到達度確認

7−1)P63演習3についてノンパラメトリック検定を行い、パラメトリック検定の結果と比較せよ。
7−2)P86例題15についてノンパラメトリック検定を行い、パラメトリック検定の結果と比較せよ。

授業後補足

本日の余談


第8回 計数値データの検定

到達目標
8−1二項分布と正規分布の関係を説明できる
8−2カイ二乗分布と正規分布の関係を説明できる

教科書第7章P125-151

計量値と計数値

計量値・・・量を測定
計数値・・・頻度を測定(名義尺度)
量的変量は頻度の測定も出来る
どのようなデータにも使えるので,色々なところで出てくる

二項分布(高校で習ってますよね)

標本の大きさ=n
事象の起こる確率=p
r=出現度数
np=n回試行を繰り返したときに事象の起こる回数(期待度数)
例題22(P128)で述べている発生率は期間有病率(つまり割合)のこと.
二項分布→npが5よりも大きい(nが十分に大きい場合 教科書ではnp≧10 and n(1-p)≧10)正規分布に近似(P135)
以下は例題22の症例を20人,50人,100人とした場合の発生人数の分布です.npはそれぞれ2,5,10となります.
nmubiostat202008-01.png(3773 byte)

個別確率と有意確率

教科書P131
有意確率=累和された値・・・ノンパラメトリックの話を思い出してください
P137の二項分布を正規分布に近似するための連続補正 の部分も参照ください

χ2乗分布

教科書P142
χ2乗分布・・・母分散を推定できる確率分布
自由度とともに分散も増加する
正規分布から上側確率を計算
バラツキの話なので下側の確率はバラつきすぎていない確率
 → 正規分布の両側5%(両側2.5%ずつ)はカイ二乗で上側に集約される
nmubiostat2016-1101.png(14151 byte)

χ乗検定

教科書P140−適合度検定(一要因で複数の事象が起こる割合)
P140例題28で説明
一要因の場合の期待度数は母比率が必要
教科書P144−独立性検定(二要因以上で複数の事象が起こる割合)
P146例題29で説明
出現度数Oiと期待度数Eiのズレを検定
期待度数は与えられた情報から推測した理論的に求めた度数
独立性はそれぞれの要因を用いて推測

期待度数が低い場合、Fisherの直接確率法.wilcoxonの統計量T理論分布と同様だが計算大変
故に教科書では2×2表以外出てこない(考え方は一緒)
よくある?間違え
度数なのに比率(100%)に直してから検定とか

授業課題

1:P146例題29出現度数が
 @全て半分にした場合と
 A全て2倍した場合で,
尿糖陽性率に差があるか検定せよ
(有意水準は5%および0.1%で)

授業後補足

比と率と割合の違いについて
比・・・異なるものを比較(無単位になる場合もあるが)
率・・・比だが時間と比較(単位は/sec /min /hr となる)
割合・・全体と一部(同じもの)を比較(無単位)
以下参考にしてください

第13回 医療統計(U)−比と率と割合(大阪保健医療大学 医療情報学2016)
http://www.medbb.net/education/ohsumedinfo2016/#13

本日の余談


第9回 独立多群間の比較

到達目標
9−1F分布とカイ二乗分布の関係を説明できる
9−2分散分析と多重検定の違いを説明できる

教科書
第5章P94-97
第8章P153-172
第10章P217-219

F分布

カイ二乗分布と同じく分散に関する確率分布
それぞれの群のカイ二乗値の比=分散の比・・・F値(FはフィッシャーのF)
F分布とカイ二乗分布の関係
χ^2(ν)=ν×F(ν,∞)
nmubiostat2017-1201.png(13289 byte)

等分散の検定(F検定)(P94)

等分散性の検定・・・分散比を求めてF値より判定
「2群の分散は異なるとは言えない」・・・帰無仮説を棄却できない(保留)
 

同時比較

全群を一括して比較

一元配置分散分析(P155)

3つ以上の標本 群間分散と群内分散の分散比
群間分散・・・群別の平均と群別の平均の平均で求める.自由度は群数k-1
群内分散・・・それぞれの値に対して属する群の平均を使って求める.自由度は総標本数n-群数k
群間分散と群内分散の比をとる

Kruskal-Wallis検定

教科書P164
P166例題33のデータで極端値の話

同時比較して差があったから多重比較するというのは、何を述べたいかによるが・・・お作法的にそのように分析するケースは多々

多重検定

教科書P217
ポイントとしては、それぞれの検定が独立した仮説にもとづいたものと考えて良いか否か。良いのであれば多重検定にならない
一連のものであれば対立仮説を考えたときに有意水準が5%と言いながら5%になっていないのでは?
多重に検定することでどれかあたれば帰無仮説は棄却できるので例えば3群総当たりだと有意水準0.05で多重検定(6通り)すると有意水準が0.265になってしまう。(からよくない)

有意確率補正法

Bonferriniの場合は6通り検定するのであれば、一検定あたりの有意水準だと0.05/6=0.0083となる。全体では1-(1-0.00833)^6=1-0.95103=0.0490
Sidak補正の場合は同様に1-(1-0.05)^(1/6)=0.008512 1-(1-0.008512)^6=1-0.95=0.0500
多群になるほど検定あたりの有意水準が下がる→差が出にくい

多重比較法

パラメトリック法
Tukey法・・・各ペアに対する平均値の差の検定
Dunnett検定・・・一つの対象群との対比

ノンパラメトリック法
Dunn法

到達度確認

9−1)158例題31についてKruskall-Wallis検定を用いて判定せよ
9−2)ある細胞を温度条件により4群にわけて培養を行いデータを測定した.標本数は,A=4,B=3,C=5,D=8であった.群間の偏差平方和SAが60 群内の偏差平方和SEが40だった場合一元配置分散分析 有意水準5%で検定せよ
9−3)曜日別に検査の管理用資料を測定した。それぞれ総当たりで二標本t検定を行った。有意確率をBonferroni補正法を用いて有意水準5%で判定し有意な組み合わせをすべて記せ
nmubiostat2017-1202.png(8054 byte)

補足

今日の余談


第10回 相関係数・回帰直線

到達目標
10−1相関係数を説明・計算することが出来る
10−2回帰直線がどのようなものか説明・計算することが出来る


相関

(教科書P174) correlative
相関関係がある・・・関連がある
相関関係が無い・・・関連がない
他方の影響を受けるか受けないか

因果

cause and effect
原因と結果
因果関係がある・・・影響がある
因果関係が無い・・・影響がない

関連がある(相関がある)=影響を及ぼす関係(因果関係がある)と考える(考えたくなる)

たばこを吸う−肺がん・・・・相関関係○

タバコを吸う人にコーヒーを飲む人が多いのは・・・(yahoo知恵袋)
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1293675642
この関係を使うと
コーヒーを飲む−肺がん・・・相関関係○
でもコーヒーが肺がんの原因とはかぎらない

コーヒー愛飲者に肺がんが多い理由は?生活習慣との関連を検証
アメリカで約50万人を対象にした調査から
from International journal of epidemiology
http://medley.life/news/item/5589521b660815fe00d5ec8e

コーヒーと肺がんの相関関係に割り込んでいる(どちらとも相関関係がある)状態=交絡)
割り込んでいるそれ=交絡因子・・・たばこ
コーヒーと肺がんに因果関係が無いとしたならその関係は疑似相関

本授業(統計学)は医療系対象で「提供する医療が及ぼす影響やその要因に関する法則性を見いだす方法を探求する学問分野」
大阪リハビリテーション専門学校 統計学2015(理学療法学科)より)
知りたいのは「影響」であるから目的を見失わないように

相関図

X軸とY軸に一つの対象に与えられるそれぞれの値をプロット(例:身長と体重)
とりあえず図にすると関係が直感的にわかる(場合がある→交絡現象交互作用に注意)

相関係数

-1から1までの値をとる(教科書P174)
+の場合正の相関 −の場合負の相関
Xが増加すればYも増加する・・・1
Xが増加すればYは減少する・・・-1
Xが増加しようが減少しようがYは関係ない・・・0
相関係数が0出なければ相関は「ある」ワケだが程度は数字が0から離れるほど強くなる
一般に〜0.2であれば相関はなく、0.7〜であれば強い相関の目安とされてる。
(この教科書はr表がついています.相関の強さによって検定の結果が決まるけど,nの数による P278表8)

X軸で見たときのバラツキ具合とY軸で見たときのバラツキ具合を元に計算してる
バラツキ=散布度・・・分散・・・偏差の二乗の平均
共分散=ある対象のX軸の偏差とY軸の偏差を乗じたものがベース
注意
基本事項のところは偏差平方和の話になっているが標本分散の場合両辺をnで割らないといけない
割ると・・・二乗の平均−平均の二乗 というリズム感のある公式が出来る
  
Xの偏差 Yの偏差 乗じた結果
乗じた結果の平均が共分散
共分散はX軸Y軸のバラツキ具合が混ざっているのでそのままの数字だと解釈しにくい→XとYの標準偏差で除する(正規化)→相関係数

直線で無い場合は変換(例えば対数変換)してから計算してもよい(対数グラフ)
対数グラフの例(方眼紙ネット)
http://houganshi.net/taisuu.php

回帰直線

X軸の値とY軸の値を数式(y=ax+b)で示す
直線を引いたときにそれぞれの点からの差(残差)の2乗して足したもの(平方和)が最も小さい時の数式が回帰直線

決定係数

相関係数を二乗すると求められる
数式によって説明できる割合を示す。(寄与率とも)
つまり高ければ高いほど数式で説明出来ることになる

到達度確認

計測値X,Yの関係を調べると下表のようになった
10−1)回帰直線y=a+bxを求めよ
10−2)相関係数rを求めよ
10−3)有意水準5%および1%で相関があるか検定せよ
ID 計測値x 計測値y xy
1 2 50
2 2 40
3 2 30
4 4 60
5 2 20
6 4 50
7 8 50
8 8 60
9 8 70
10 10 70
合計 50 500

授業後補足

本日の余談

第11回 多変量解析

到達目標
11−1多変量解析の必要性について説明できる
11−2重回帰分析においてどのように変数が選ばれているか説明できる

多変量解析について

教科書P5
多くの変量を用いて・・・探索的
予測・・・(重回帰分析)
要約・・・外的基準がない(主成分分析)
「関係ありそうなデータを集めたけどどうしたらまとまるのやら」という悩みを解決してくれるという夢を見やすい

重回帰分析

教科書P223
(回帰直線の話を思い出す→単回帰分析)
回帰・・・元に戻る・・・何らか(定理や関係)に基づき戻っていく

単回帰分析

教科書P195
回帰係数・・・Y=a+bXのb
決定係数(以前の授業参照)

重回帰分析

Y=a+b1X1+b2x2+・・・ 目的変数・・・Y
説明変数・・・Xi
偏回帰係数・・・bi
標準偏回帰係数 β* 目的変数と説明変数の関係を標準化したときの偏回帰係数・・・
目的変数は量的
説明変数は量的でも質的(0,1)でも

単回帰と同じく最小二乗法で求める
決定係数・・・説明変数を増やすと値は上昇 自由度調整済み決定係数・・・1-(1-R2)(n-1)/(n-k-1) n=標本数 k=独立変数

VIF 分散拡大要因
多重共線性を見つける指標
多重共線性・・・独立変数が他の独立変数と相関がある・・・偏回帰係数の標準誤差増大
VIF=(1-Ri2)-1
Ri2:他の独立変数で重回帰させたときの決定係数
目安としては10以下であればそのまま
以下はSPSSの出力(データは教科書P11の「複雑な調査データ」)でBMIを従属変数 それ以外(ID 性別除く)を独立変数とした場合
変数減少法で
nmubiostat2018-1301.png(119783 byte)
nmubiostat2018-1302.png(92469 byte)
エクセルの場合(2013)
nmubiostat2018-1304.png(64047 byte)

到達度確認

1)授業資料に示したデータより重回帰分析により得られた数式からBMI値を推定せよ

第12回 相対危険度

到達目標
12−1相対危険度を示す指標にどのようなものがあるか説明できる 
12−2症例対照研究では相対危険をオッズ比で算出する理由を説明できる


この授業では相対危険度=Relative Risk は一般的な用語であり、その算出指標の一つに相対危険=リスク比(Risk Ratio)があると整理します
一般的にはここらへんの言葉ゴチャゴチャです。

観察研究(Observational study)

横断研究(Cross-sectional study)
曝露と疾患を同時に評価
時間軸がない場合が多く(例外は性別など)因果関係までは不明になってしまいやすい

コホート研究(Cohort study)
対象に曝露している人々と非曝露群を設定、追跡調査していくスタイル
通常前向きだが、後ろ向きにみる回顧的コホート研究というのもある。(後々でも曝露群に関する情報がある場合)

症例対照研究(Case-control study)
ある状態(例えば病気に罹患している)群と、罹患していない群を設定、時間を遡って調査していくスタイル
後ろ向きにしか行えない(前向きだと曝露→疾患の順がおかしくなる)

実験的研究(介入研究)(intervention study)

コホート研究の場合、曝露群(介入群)を研究者が割り付ける → 被験者に対する倫理的配慮が肝要
無作為に割り付けることが出来る場合は交絡因子を制御できる(ことが期待される)
倫理的に考えると非介入群の方が不利益になってしまう可能性が高いので、配慮した研究デザインが求められる

説明用データ
疾病発症 疾病無
曝露有 A B A+B
曝露無 C D C+D
A+C B+D

相対危険

Risk Ratio(RR)
「リスク比」と言った方がわかりよい(と思うが)
曝露(介入)の有る時と無の時の危険を示す指標の比
危険を示す指標には罹患率やら有病率やら死亡率やら

A〜D:疾病発生頻度(頻度以外に罹患率やら有病率・・・)

曝露有群の発症リスク=A/(A+B)
曝露無群の発症リスク=C/(C+D)
リスク比=A/(A+B)/C/(C+D)
もし、発生頻度が低ければA+B≒B C+D≒D
 リスク比≒A/B/C/D=AD/BC

オッズ比

Odds Ratio(OR)
危険な事象が起きた場合と起きなかった場合の指標の比(=オッズ)について曝露(介入)の有無毎に求め比をとったもの

発症有群の曝露オッズ=A/C
発症無群の曝露オッズ=B/D
オッズ比=A/C/B/D
    =AD/BC
上記のように発症頻度が低ければオッズ比とリスク比の近似値となる

到達度確認

1)相対危険度を算出せよ

コホート研究
不整脈あり 不整脈なし
曝露群 100 1900 2000
非曝露群 50 1950 2000
150 3850 4000
症例対照研究
不整脈あり 不整脈無し
曝露歴あり 50 30 80
曝露歴無し 50 70 120
100 100
2)なぜ症例対象研究では相対危険度(Relative Risk)としてオッズ比(Odds Ratio)を求めるのか.説明せよ

授業後補足

暴露と結果の関係はわかるが,至るまでの経過はどうするの?→生存時間分析

第13回 感度・特異度・ROC曲線

到達目標
13−1判別特性値の計算が出来る
13−2評価結果よりROC曲線を作成し評価やカットオフ値の検討が出来る


検査法の診断的有用性を評価する話
有病率の影響を受ける指標、受けない指標を整理しておくこと
「率」ではあるが実際には割合。時点有病率ともいう(期間有病率は時点有病率に期間中の罹患を加えたもの)
(第8回で比・率・割合の話をしましたが)

感度と特異度

教科書(P116)
感度=P(陽性|D)  疾患群における真陽性の割合
偽陽性率=P(陽性|Dc) 非疾患群における偽陽性の割合
特異度=1−偽陽性率 非疾患群における真陰性の割合
予測値
有病率の影響を受ける
 陽性的中率=P(D|陽性)
 陰性的中率=P(Dc|陰性)
検査法の評価指標
 尤度比=感度/偽陽性率 
 オッズ比=教科書参照 検査の有用性
 AUC=ROC曲線を描いて算出 検査の分別能

何でも陽性と判断する検査は感度も偽陽性率も1になる
(なんでもかんでも、あります!! のノリ)

ROC曲線

教科書(P119)
判別度の分析
感度と偽陽性率(1−特異度)を用いて曲線を描く
例題21でEをカットオフ値としたときの陽性的中率=7/9 陰性的中率=8/11

到達度確認

13−1)
2種類の検査法A,Bを施行したところ以下の結果を得た.
AUCを求めどちらの件さが優れているか評価せよ
なおカットオフ値を12.0~15.5まで0.5刻みで設定し評価のこと
A法
疾患群 14.3 15.2 13.8 14.1 13.9 12.6 14.2 14.6 13.1 13.7
非疾患群 13.2 14.1 13.8 13.6 12.9 12.4 12.1 12.3 12.3 12.8
B法
疾患群 14.3 15.2 13.8 14.1 13.9 12.6 14.2 14.6 13.1 13.7
非疾患群 13.2 14.3 13.8 12.9 14.4 14.4 12.1 15.3 12.3 12.8

授業後補足

本日の余談

第14回 生存時間分析

到達目標
14−1カプランマイヤー法による生存曲線の作成が出来る
14−2ログランク検定による生存率の差の検定を行うことが出来る

生存時間分析は治療法等の評価に時間軸を含めたもの
イベント発生までの時間による分析

生存率

生存率には計算方式が複数
電算機の普及によりKaplan-Meier法でも容易に計算出来る時代
そもそも率は比の特殊な形態で単位時間あたりのイベント数を表わす
(第12回の授業で比率割合取り上げました)
Kaplan-Meierで求める非イベント発生(生存)率=1-イベント発生(死亡)率は、率では無く時点イベント(死亡)割合なので注意
<参考>
患者の生存率(地域がん登録全国協議会)
http://www.jacr.info/about/survival.html
直接法は割合。中途打ち切りがあると困る
生命保険数理法も割合。中途打ち切りについては1/2を観察期間に含めているがイベント発生(死亡)者の観察期間を考慮していないので率では無い(考慮していたら人年あたり(率)になる)

カプランマイヤー法によるイベント発生率の計算

個票データ
患者ID 診断名 観察終了時期 患者ID 診断名 観察終了時期 患者ID 診断名 観察終了時期 患者ID 診断名 観察終了時期 患者ID 診断名 観察終了時期
1 b 3 11 a 8 21 b 9 31 b 24+ 41 a 3+
2b512b1422b1832a1242b8
3b613b923a12+33a3+43b24+
4b1414a124a334b1344a5+
5a7+15a225b17+35b1745b14
6a1416a326a736a3
7a1717a1327a837b15
8b2118b2128a1238b13
9b2119b1629b12+39a21
10b1620b24+30a140b18
+は打ち切り

生存率の計算

疾患a
診断からの月数 月開始時の生存数 死亡数 中途打ち切り数 死亡割合 生存割合 累積生存率
120200.1000.9000.900
218100.0560.9440.850
317320.1760.8240.700
512010.700
711110.0910.9090.636
89200.2220.7780.495
127210.2860.7140.354
134100.2500.7500.265
143100.3330.6670.177
172100.5000.5000.088
211101.0000.0000.000
疾患b
診断からの月数 月開始時の生存数 死亡数 中途打ち切り数 死亡割合 生存割合 累積生存率
325100.0400.9600.960
524100.0420.9580.920
623100.0430.9570.880
822100.0450.9550.840
921200.0950.9050.760
1219010.760
1318200.1110.8890.676
1416300.1880.8130.549
1513100.0770.9230.507
1612200.1670.8330.422
1710110.1000.9000.380
188200.2500.7500.285
216300.5000.5000.143
243030.143
nmubiostat2016-1401.png(7029 byte)
疾患a:青線
疾患b:赤線

ログランク検定

カイ二乗分布による検定を行う
(期待度数と比較してバラツキがあるか否か)

イベント発生毎のクロス表(カッコ内は期待度数)

1ヶ月
死亡数 生存数 合計
症例a 2(0.889) 18(19.111) 20
症例b 0(1.111) 25(24.889) 25
合計 2 43 45
2ヶ月
死亡数 生存数 合計
症例a 1(0.419) 17(16.581) 18
症例b 0(0.581) 25(24.419) 25
合計 1 42 43
以下同様な格好で観測度数と期待度数(例:期待死亡数)を求めていく

観察度数及び期待度数

診断からの月数 a観察度数 a打ち切り数 a総人数 a期待度数 b観察度数 b打ち切り数 b総人数 b期待度数
120200.88900251.111
210180.41900250.581
332171.61910252.381
501120.33310240.667
600110.32410230.676
711110.33300220.667
82090.87110222.129
90070.50020211.500
122170.53801191.462
131040.54520182.455
141030.63230163.368
150020.13310130.867
160020.28620121.714
171020.33311101.667
180010.2222081.778
211010.5713063.429
検定統計量χ^2=Σ(OiーEi)^2/Ei

今回は二つの群の比較・・・自由度k=n-1=1
O1=a観察度数の総和=15
E1=a期待度数の総和=8.549
O2=b観察度数の総和=20
E2=b期待度数の総和=26.451
検定統計量χ^2=6.441
χ^2(1,0.95)=3.8415
故に帰無仮説を棄却し対立仮説を採択する(a,bの再発率に差がある)

到達度確認

14−1)
次のデータからカプランマイヤー法により生存確率を推定し生存曲線を描き,疾患ABによる違いがあるか検定せよ
nmubiostat2018-1305.png(33181 byte)

授業後補足

第15回 まとめ

到達目標
15−1授業で出た問題を全て解ける
15−2履修後も統計を自己学修する意欲を持つ

授業課題

講義中にお題を出します